改良型のモミガラ深敷き型カーフハッチによる子牛の省力管理


[要約]
子牛の哺育用カーフハッチの下部を改良し、敷き料として無処理モミガラを30cmの深敷きにすると、湿潤、糞尿汚染の進行が極めて緩徐となり、ハッチ飼育期間中における敷き料の交換が不要である。
滋賀県畜産技術振興センター・近江牛牧場
和歌山県農林水産総合技術センター・畜産試験場・大家畜部
[連絡先] 0748-52-1221
              0739-55-2430
[部会名] 畜産
[専門]    繁殖
[対象]    肉用牛
[分類]    普及

[背景・ねらい]
 肉用素牛生産の低コスト化が強く求められている。低コスト化の重要な要素として、子牛育成率の向上があり、カーフハッチによる損耗の低減が図られている。しかし、ハッチ内は湿潤、汚染が早く頻繁な敷き料交換が欠かせないが、敷き料交換は多大な労力を要し、ハッチ飼育における技術的課題である。
 本試験では、モミガラの通水性、通気性に着目し、ハッチ内汚染減少と省力管理について検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 改良型カーフハッチは、下部にコンパネを用い、深さ30cmの敷き料枠を設ける(図1)。
  2. 240×120cmのハッチ1基に用いる無処理モミガラは、深さ30cm敷き込みで、約0.8m3 となり、これに7日齢の子牛を収容する(図2)。
  3. 目視評価による敷き料の汚染は、子牛収容から2カ月間は極めて進行が緩徐である。
  4. 敷き料の水分は徐々に増加するが、表層においては3カ月後でも約30%程度である(図3)。
  5. 牛体の汚染は、2.5 カ月以降に蹄表面に汚物の付着がみられる以外は、飼育期間中殆どみられない。
  6. 敷き料の交換、補充は、子牛収容期間中全く不要で、敷き料作業が約半減し、使用後の敷き料が軽量となり軽作業化ができた(図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 3カ月間にわたり湿潤、汚染が極めて少ないことから、衛生状況保持、保温性維持で優れていること、敷き料交換、補充を必要とせず極めて省力的であ。
  2. 従来の稲わら追加方式では、約40kg程度の稲わらが必要であったが、この方式ではモミガラが活用でき、敷き料経費が節減出来る。
  3. 240×120cmのハッチ下部の枠設置経費は、自作すれば3,000円程度である。
  4. 技術導入に高度な要件は不要である。
  5. 乳用牛子牛の哺育にも活用できる。
  6. 飼育全期間を通じ、敷き料表面が軟弱であることから、長期間飼育した場合は、肢蹄への悪影響の可能性が考えられ、活用は3カ月齢を越えないこと。

[その他]
研究課題名 : 中山間地域における肉用繁殖牛の省力・軽作業型効率的新飼養システムの開発
予算区分    : 地域重要新技術
研究期間    : 平成10年度(平成8~10年)
研究担当者 : 三木勇雄、富沢泰(滋賀県畜産技術振興センター)
                   小西英邦、温井功夫(和歌山県農林水産総合技術センター・畜産試験場)
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