- [要約]
- 分娩後6日目に子牛を超早期分離し、母牛に維持養分量の飼料を給与することにより、母牛の初回排卵は19日に、空胎期間は50日に短縮できた。その結果、母牛の分娩間隔は、3年連続して11か月となった。
兵庫県立北部農業技術センター・畜産部
[連絡先] 0796-74-1230
[部会名] 畜産
[専門] 飼育管理
[対象] 肉用牛
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
- 近年、繁殖経営の多頭化に伴って、従来から取り組まれている繁殖雌牛の1年1産という目標は、全体としては達成されないばかりか、経営効率の改善が進んでいない現状にある。そこで、和牛繁殖経営において、分娩後6日目の超早期に母子分離を行った場合の母牛の繁殖性に及ぼす栄養水準の影響を3か年にわたって同一供試牛で検討して、繁殖効率の改善を検討した。
[成果の内容・特徴]
- 分娩後6日目に黒毛和種の母子を超早期分離し、その後母牛には日本飼養標準の維持に要する養分量の80、100及び120%の飼料を分離後受胎まで給与する3区を設定した。毎年、各区5~6頭ずつ計16頭の供試牛を連続して供試した。その結果、初回排卵までの日数は、母子分離を行わない対照区の31.8日に比較して18.1~20.0日と試験区で短縮した(表1)。
- 初回発情までの日数は、母子分離を行わない対照区の55.7日に比較して、試験区では28.4~32.0日と有意(P<0.05)に短縮した(表1)。空胎日数は、対照区の91.8日に比較して80、100及び120%区で、それぞれ48.0日、50.3日及び59.1日と有意(P<0.05)に短縮した(表1)。しかし、80%区では発情の停止した牛が3頭みられたことから、分娩後の栄養水準は、空胎期間の短い100%区が望ましいと考えられた。
- 超早期に子牛を分離した母牛の繁殖性は3年連続して良好であり(表2)、超早期母子分離が母牛の繁殖生理に合致していることが示唆された。超早期母子分離を行った場合の、3年間の平均分娩間隔は、338.0±11.0日と、11か月で1産が可能であった(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 人工授精の開始時期は、分娩後30日以降とする。
[その他]
研究課題名 : 中山間地域における肉用繁殖牛の省力・軽作業型効率的新飼養システムの開発
予算区分 : 地域重要新技術
研究期間 : 平成10年度(平成8~10年)
研究担当者 : 福島護之、木伏雅彦、野田昌伸
発表論文等 : 超早期母子分離における母牛の繁殖に及ぼす栄養水準の影響、第93回日本畜産学会大会、130、1997.
超早期母子分離による黒毛和種繁殖雌牛の11か月1産技術と子牛の適正哺乳量、近畿中国地域「新技術」第31号、203-207、1997.
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