- [要約]
- 黒毛和種母子を分娩後6日目の超早期に分離した場合、子牛の離乳(代用乳給与終了)時期の決定は、人工乳を700g程度摂取するか、或いは体重が50kg程度に達した時点とすると、子牛の発育を維持しつつ代用乳の給与期間が短縮できる。
兵庫県立北部農業技術センター・畜産部
[連絡先] 0796-74-1230
[部会名] 畜産
[専門] 飼育管理
[対象] 肉用牛
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
- 近年、繁殖経営の多頭化に伴って子牛の下痢発生が増加傾向にあり、それに伴う子牛の発育不良による経営効率の低下が懸念されている。一方、最近の異品種間での胚移植の普及に伴って、黒毛和種新生児の早期離乳・哺育技術が検討され、ホルスタイン種から生産された黒毛和種子牛も、6か月離乳の自然哺乳子牛の場合とほぼ同様の発育をすることが報告されている。また、和牛繁殖経営において分娩後6日目の超早期に母子分離を行うと母牛の繁殖サイクルが短縮し、経営に大きく貢献することが明らかとなってきた。
- そこで、超早期に母子を分離した場合に最も負担がかかる子牛への代用乳の給与期間を短縮して、省力化を図りつつ子牛の発育を維持できる適正な離乳(代用乳給与終了)時期の決定基準を検討した。
[成果の内容・特徴]
- 代用乳は、1日400gを朝夕2回給与とし、45日目から半量を1日1回給与、60日目で終了する区を対照区(供試牛♂、♀各3頭)とした。7日目より乾草と人工乳(DCP15%、TDN75%)を、90日目以降は子牛育成用飼料(DCP12%、TDN72%)を不断給餌とした。
- 試験区は、人工乳の1日摂取量が500g(供試牛♂、♀各3頭)又は700g(供試牛♂4頭、♀2頭)になった時点で代用乳の給与を終了して離乳することとした。
- その結果、離乳時日齢は、500g区では雄で33.0±9.0日、雌で43.0±2.7日、700g区では、雄で41.3±10.1日、雌で45.0±1.4日であった。雄子牛の離乳日数にはばらつきがみられた。離乳時の体重は、雌雄ともに500g区で約41kg、700g区で約50kgであった。
- 離乳後の発育は、各区とも大きな差はみられなかったが、500g区で通算D.G.が低かった(表2)。
- 下痢の発生は、従来の母子同居区(6か月離乳)に比較して超早期母子分離区で減少した(図1)。
- 以上の結果より、農家でも人工乳の1日摂取量が700gに達するか、体重が50kg程度に達した時点で、離乳を決定すればその後の発育も良いことが明らかになった。
[成果の活用面・留意点]
- 人工乳の摂取量が基準に達しても体格の小さな牛の場合は数日様子を見て、連続して人工乳を規定量採食することを確認することが望ましい。
- 表1 [具体的データ]
[その他]
研究課題名 : 中山間地域における肉用繁殖牛の省力・軽作業型効率的新飼養システムの開発
予算区分 : 地域重要新技術
研究期間 : 平成10年度(平成8~10年)
研究担当者 : 福島護之、木伏雅彦、野田昌伸
発表論文等 : 超早期母子分離による黒毛和種繁殖雌牛の11か月1産技術と子牛の適正哺乳量、近畿中国地域「新技術」第31号、203-207、1997.
超早期母子分離後の黒毛和種子牛の適正哺乳量と哺育回数の検討、肉用牛研究会報、第66号、14-15、(1998)
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