- [要約]
- 豆腐粕をサイレージ化して給与した牛の肉質は、穀類中心の対照区の肉質と比べて、脂肪交雑やロース芯面積に有意な差はなく、牛脂の黄色みが薄くなる。
大阪府立農林技術センター・畜産部・飼養技術室
[連絡先] 0729-58-6551
[部会名] 畜産
[専門] 動物栄養
[対象] 肉用牛
[分類] 指導
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[背景・ねらい]
- 昨今、都市環境保全のための資源のリサイクルは極めて重要な課題になってきている。豆腐粕、ビール粕、酒粕などの食品製造副産物は高水分であるため、焼却しにくく、また、焼却しようとすれば焼却炉の温度を下げるため、ダイオキシンの発生も懸念され、有効な活用方法の開発が求められている。当所では豆腐粕を牛の飼料として利用するため、乳酸菌を用いて豆腐粕をサイレージ化する方法を検討し、1.5%の糖蜜添加が必要なこと、冬場は乳酸菌の添加が不必要であること、サイレージ表面にフスマを重層するとカビの発生が抑えられることなどを報告した。今回は、豆腐粕サイレージを肥育牛に給与して肉質への影響を検討した。
[成果の内容・特徴]
- 牛脂肪交雑基準(BMS)は、大麦を重層した豆腐粕サイレージを給与した牛で2~6、トウモロコシ重層区で2~5、フスマ重層区で2~5であり、各試験区は対照区の3~5と有意な差は認められなかった(図1)。
- 牛肉色基準(BCS)は、対照区が3または4であったのに対し、豆腐粕サイレージを給与した牛では3から5であり、やや肉色の濃いものもみられた(図1)。
- 牛脂肪色基準(BFS、脂肪の黄色さの程度)は対照区が平均で3を超えたのに対し、大麦重層豆腐粕サイレージ区ではすべて3、他の豆腐粕サイレージ給与区も3未満であり、豆腐粕サイレージを給与することによって牛脂の黄色みが薄くなった(図1)。
- 去勢牛のロース芯面積は、対照区が48~49cm2 、大麦重層区が41~57cm2 、とうもろこし重層区が50~61cm2 、ふすま重層区が42~61cm2 であり、豆腐粕サイレージ給与牛においてロース芯面積の大きなものがみられた。バラの厚さは対照区が5.7~7.7、大麦重層区が4.6~7.5、とうもろこし重層区が6.6~7.5、ふすま重層区が5.0~7.1で、各区で差が認められなかった。
- 光沢、しまり、きめなども各区で差が認められなかった(図2)。
- 以上のことから、豆腐粕サイレージは黒毛和種や交雑種の肥育の飼料として十分利用できる。
[成果の活用面・留意点]
- できるだけ製造直後の新鮮な豆腐粕を使う。そのために、穀類や糟糠類などの低水分の飼料を攪拌機に入れ、予め混合しておき豆腐粕が到着すればすぐに混合して容器に詰める。
- 容器はできるだけ背の高いものを用いる。
- 豆腐粕サイレージ表面に低水分飼料を重層してサイレージの品質を高める。
[その他]
研究課題名 : 食品製造副産物の飼料特性を活用した肥育牛の良質低コスト生産技術
予算区分 : 府単
研究期間 : 平成10年度(平成8~13年度)
研究担当者 : 西村和彦、藤谷泰裕、大谷新太郎、毛利集造
発表論文等 : 平成10年度 大阪食と緑の新技術、10-12、1999.
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