- [要約]
- 脂肪酸組成は種雄牛によって異なり、大型の牛は不飽和脂肪酸割合が低くなる傾向がみられる。皮下脂肪の不飽和脂肪酸割合と肉質等級、脂肪交雑、しまりとの間には正の相関があり、枝肉重量、肉色との間には負の相関がある。
兵庫県立中央農業技術センター・畜産試験場・家畜部
[連絡先] 0790-47-1117
[部会名] 畜産
[専門] 飼育管理
[対象] 肉用牛
[分類] 研究
-
[背景・ねらい]
- 牛肉脂肪の脂肪酸組成は肉の風味に影響し、美味しい牛肉は不飽和脂肪酸割合が多いと言われている。また、脂肪酸組成は品種、性、部位、環境温度、給与飼料などによって変化することが報告されている。しかしながら、黒毛和種で遺伝的な影響を幅広く調査した
報告はない。そこで、近畿・中国地域の産肉能力検定肥育牛の脂肪酸組成を調べることにより遺伝的影響を検討し、さらに、枝肉形質との関係を明らかにした。
[成果の内容・特徴]
- 兵庫、鳥取、島根、岡山及び広島県の種雄牛27頭の産子(産肉能力検定間接法肥育牛)233頭について枝肉断面の筋肉内(ロース芯)、筋間、皮下および腎臓周囲の脂肪を採取し、ガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した。
- 枝肉の部位別の脂肪酸組成は皮下、筋間、筋肉内、腎臓周囲の順に、体の中心に向かって飽和脂肪酸割合が高くなる(表1)。
- 脂肪酸組成は種雄牛によって有意に異なり、筋肉内の不飽和脂肪酸割合の最も高い種雄牛産子は56.4%、最も低いものは48.8%であった。また、大型の牛は不飽和脂肪酸が少なくなる傾向がみられる(図1)。
- 各部位の脂肪酸組成と枝肉形質の間には相関が認められる。特に皮下脂肪の脂肪酸組成との相関が高く、不飽和脂肪酸割合と肉質等級、脂肪交雑(BMS)、しまりとの間には正の相関が認められ、枝肉重量、肉色(BCS)との間には負の相関がみられる(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 美味しい牛肉を生産するための種雄牛選抜に活用できる。
[その他]
研究課題名 : 但馬牛における脂質特性とその制御法の検討
予算区分 : 県単
研究期間 : 平成10年度(平成9~11年)
研究担当者 : 岡章生、岩木史之、道後泰治、太田垣進(兵庫中農技セ)、澤田雅広(鳥取畜試)、遠藤治(島根畜試)、馬場誠(岡山総畜セ)、田中基充(広島畜技セ)
発表論文等 : なし
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