加工処理した黒大豆のアンギオテンシンⅠ変換酵素阻害活性


[要約]
黒大豆の抽出液は、強いアンギオテンシンⅠ変換酵素阻害活性を示し、血圧上昇抑制成分が含まれることが示唆される。この阻害活性は、100℃90分間、180℃20分間の各加熱処理および消化酵素処理でも失われず、原料大豆よりも増加する。
滋賀県農業試験場・企画技術部・加工担当
[連絡先] 0748-46-3081
[部会名] 流通利用
[専門]    食品品質
[対象]    豆類
[分類]    研究

[背景・ねらい]
 農産物の需要促進を図るには、農産物の高付加価値化が効果的である。そこで、県下の水田転作作物で栽培が増加している黒大豆およびその加工品の機能性を明らかにするために、アンギオテンシンⅠ変換酵素(以下ACEと略す)活性に対する加熱および消化酵素の影響を調べる。本酵素の阻害物質は、高血圧の治療薬として用いられており、血圧上昇抑制作用が期待できる。

[成果の内容・特徴]

  1. 大豆類の水抽出液は、他の農産物に比べ強いACE阻害活性が認められ、何らかの血圧上昇抑制成分が含まれることが示唆される(表1)。
  2. 水浸漬、加熱処理による血圧上昇抑制成分の安定性試験を行った結果、水浸漬(5℃16時間)した黒大豆は、無処理よりACE阻害活性が増加する。また、100℃60分間、100℃90分間および180℃20分間の各加熱処理の場合は、さらにACE阻害活性が増加する(図1)。
  3. 黒大豆の豆腐およびおからのACE阻害活性は、原料の黒大豆よりも増加した。また、これらを消化酵素処理(ペプシン:pH2.0、37℃2時間反応)してもACE阻害活性は残存している(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 黒大豆は、加熱調理および消化酵素によってもACE阻害活性が残存しており、生体内でも有効であることが期待できる。
  2. 本試験では、黒大豆加工品の血圧上昇抑制作用について動物実験等で確認していない。

[その他]
研究課題名 : 中山間地域の特産品を用いた加工食品の開発
予算区分    : 地域重要新技術開発促進事業
研究期間    : 平成10年度(平成8~10年)
研究担当者 : 荒川彰彦、小林貞博、長谷俊治
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