- [要約]
- 「ひとめぼれ」は、山間向き奨励品種「ホウレイ」とほぼ同熟期の早生の早から極早生で、いもち病抵抗性はやや劣るが、食味が優れているので、山間地帯(標高300m以上、いもち病常発地を除く)を対象に奨励品種に採用する。
奈良県農業試験場・作物開発担当・省力稲作チーム
[連絡先] 0744-22-6201
[部会名] 作物生産(育種・栽培)
[専門] 育種
[対象] 稲類
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
- 水稲の山間地帯向き県奨励品種は極早生の「ハナエチゼン」、早生の早の「ホウレイ」、早生の晩の「アキツホ」があり、そのうち、「ホウレイ」はやや大粒で外観品質・収量性がよく、栽培適性も優れているが、欠点は食味が十分でないことである。近年、新食糧法が施行され、米を取り巻く情勢が急激に変化してきたことに伴い、食味が優れ、市場流通性のある品種が要望されている。
[成果の内容・特徴]
- 熟期区分は、早生の早~極早生で、出穂期は「ホウレイ」より3日早く、「ハナエチゼン」より6日遅い(表1)。
- 止葉の直立程度は中で、穂揃いは良好。中長稈偏穂数型で、稈長は「ホウレイ」より6.2㎝短く、「ハナエチゼン」より6.2㎝長い(表1)。耐倒伏性は「ホウレイ」・「ハナエチゼン」よりやや劣る(表1)。収量比は「ハナエチゼン」の101%、「ホウレイ」の94%で、収量性は高いが、屑米がやや多い(表2)。
- 「ホウレイ」・「ハナエチゼン」より良食味である(表3)。粒大は中。千粒重は23.8gで、「ホウレイ」・「ハナエチゼン」よりやや小さい(表2)。外観品質はやや良(表2)。
- いもち病については「ホウレイ」・「ハナエチゼン」より明らかに弱い(表1)。
[成果の活用面・留意点]
- 適応地帯は県山間地帯(標高300m以上)で、普及見込み面積は600~800ha。
- いもち病に対する圃場抵抗性は「ホウレイ」・「ハナエチゼン」より明らかに弱く、やや長稈で、耐倒伏性も弱いので、いもち病の適期防除を徹底するとともに、多肥栽培を避け、適正な施肥管理に努める。また、いもち病常発地には作付しない。
- 耐穂発芽性は強いが、良質米生産のため、適期刈取を励行する。また、種子の休眠性が強いので、催芽前の浸漬を十分に行う。
- 白葉枯病には弱いので、台風の通過後など、発生が予想されるときには必ず防除する。
[その他]
研究課題名 : 水稲奨励品種決定調査
予算区分 : 国庫補助(平成9年)、県単(平成10年)
研究期間 : 平成10年度(平成9~10年度)
研究担当者 : 山本卓司、杉山高世、浅田幸男
発表論文等 : 水稲「ひとめぼれ」の奨励品種採用、奈良県農試情報、№102、2、1999.
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