不耕起乾田直播栽培における水稲出芽始期の予測


[要約]
不耕起乾田直播栽培の水稲出芽始期は、ノンパラメトリック法によって日平均気温から±1.4日程度の誤差で予測できる。適用範囲は0~28℃で、出芽始期の変動が大きい3~4月播種や、本栽培の前例がない地帯での除草計画作成に有効である。
岡山県立農業試験場・作物部
[連絡先] 08695-5-0271
[部会名] 作物生産(育種・栽培)
[専門]    栽培
[対象]    稲類
[分類]    指導

[背景・ねらい]
 非選択性茎葉処理除草剤の水稲出芽前処理は不耕起乾田直播栽培の雑草防除に不可欠であるが、その特性から出芽始期を過ぎると使用できない。また、出芽始期の年次変動が大きい早期播種では処理晩限の判定が難しい。そこで、ノンパラメトリック法による出芽始期の予測を試みるとともに、過去の気象にあてはめ、適用場面を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 1次元ノンパラメトリックDVR解析プログラム(田村 1989)を用い、播種から出芽始期について日平均気温と発育速度(DVR)の関係を求めると、出芽始期は±1.3~1.4日の誤差で予測可能である(表1)。日平均気温とDVRの関係には若干の品種間差があるが、供試した日本晴、吉備の華、アケボノとも概ね類似する(図1)。
  2. 過去の気象から推定した播種期別の出芽始期の変動は表2の通りで、4月以前の播種では、±5.3~2.5日の年次変動が見込まれる。この変動幅は予測誤差より大きいので、本法は3~4月播種における出芽始期の年次変動の予測に有効といえる。一方、5月中旬以降の播種では出芽始期の変動が予測誤差より小さいので、出芽始期は予測できるがその年次変動は予測不能である。

[成果の活用面・留意点]

  1. この成果は表1に示す3品種の乾籾を乾田不耕起直播する場合に適用する。
  2. 適用できる温度範囲は0~28℃である。

[その他]
研究課題名 : 乾田不耕起直播を中心とした超省力・低コスト稲作技術の開発
予算区分    : 地域基幹農業技術体系実用化研究
研究期間    : 平成10年(平成6~8年)
研究担当者 : 杉本真一
発表論文等 : なし
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