新規造成畦畔における数種地被植物の生育特性と雑草の発生に及ぼす影響


[要約]
畦畔植生の省力管理のために導入する地被植物として、シバザクラ、アークトテカが地被能力が高く最も有望で、導入した地被植物の被度が高いほど雑草の発生量は少ない。
広島県立農業技術センター・高冷地研究部
[連絡先] 0826-82-2047
[部会名] 作物生産(育種・栽培)
[専門]    雑草
[対象]    緑化植物
[分類]    指導

[背景・ねらい]
 急傾斜地における基盤整備水田の大型法面を対象に、従来の刈払いに代わる省力的な畦畔植生管理法として、地被植物の導入によって雑草を抑制する方法について検討している。ここでは、代表的な4つの草種について、新規造成畦畔における適応性と地被植物の被覆による雑草の発生に及ぼす影響を明らかにする。  

[成果の内容・特徴]

  1. シバザクラは、被覆速度がやや遅く、全面を覆うまで約2年を要するが、耐寒性に優れ、冬季間の被度の低下が少なく群落が安定している。アークトテカは、被覆速度が極めて早く、定植後短期間で全面を被覆する。耐寒性が劣るため、冬季間地上部が全て枯死するが、越冬後、春から夏にかけて被度が回復する。3年目以降、草勢に衰えがみられる。マツバギクは、初年目は生育が旺盛でほぼ全面を被覆するが、耐寒性が劣るため越冬後の被度が低く、2年目に夏季の高温多湿時に枯死株が多発する。アジュガは耐寒性に優れるものの、全体を通じて生育は低調である(図1)。
  2. 地被植物の被度と雑草の発生量との間に負の相関が認められ、地被植物の被度が高いほど雑草の発生量が少ない(図2)。
  3. 地被植物の草種別にみると、雑草の発生量は被度が高く推移したアークトテカで最も少なく、全て枯死し被度が0となったマツバギクで最も多い(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 導入に当たっては現地畦畔における十分な検討が必要である。
  2. シバザクラ類は品種によって地被能力、耐湿性、花色、開花期間などの特性が異なるため、品種間差を考慮して検討する必要がある。

[その他]
研究課題名 : 大規模稲作経営推進のための超省力栽培技術体系の確立
予算区分    : 地域基幹農業
研究期間    : 平成10年度(平成6~10年)
研究担当者 : 保科 亨、前田光裕
発表論文等 : なし
目次へ戻る