スルホニルウレア系除草剤抵抗性変異の出現


[要約]
京都府北部の丹後地域でアゼトウガラシが多発している水田が近年問題となっており、スルホニルウレア系除草剤に対する抵抗性変異の出現を確認した。その防除にはシメトリン及びMCPBを含有する水田除草剤が有効である。
京都府丹後農業研究所
[連絡先] 0772-65-2401
[部会名] 作物生産(育種・栽培)
[専門]    雑草
[対象]    稲類
[分類]    研究

[背景・ねらい]
 1997年に京都府北部の大宮町で「除草剤の効かない水田雑草がある」との情報があり、北海道や東北・北陸地方で報告された、スルホニルウレア系除草剤(以下SU剤と略す)に抵抗性を持つ雑草が出現している疑いが持たれた。そこで、今後の雑草防除対策の資料とするため、現地における雑草発生の実態を把握するとともに、有効な水田除草剤を選定する。

[成果の内容・特徴]

  1. 同一SU剤(ダイムロン・ベンスルフロンメチル・メフェナセット粒剤)を8年間連用していた水田の土壌を用いて検定した結果、アゼトウガラシ、アメリカアゼナ(ゴマノハグサ科)及びミゾハコベ(ミゾハコベ科)に、SU剤抵抗性変異が確認された。これは近畿以西で初めての確認事例である(表1)。
  2. 現地での出現状況を見ると、アゼトウガラシが多発するほ場は、ほぼ同一水系沿いに発生している。その中でも水系の下流ほど多い傾向がある。また出現ほ場は同一耕作者が多く、農業機械の進入箇所付近で、特に雑草量が多い(図1)。
  3. SU剤では効果の少ない雑草についても、シメトリン・モリネート・MCPB粒剤の効果は高い(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 抵抗性を持つと疑わしい雑草が出現した場合、中干し期にその分布と拡散状況を明らかにするとともに、同一剤の連用の有無など除草剤の使用状況を調査する。
  2. シメトリンおよびMCPBを含む除草剤としては、シメトリン・モリネート・MCPB粒剤の他に、シメトリン・ベンチオカーブ・MCPB粒剤、シメトリン・ベンフレセート・MCPB粒剤などがある。その他の非SU系除草剤も効果が期待されるので、適用草種を確認して使用する必要がある。

[その他]
研究課題名 : SU剤抵抗性雑草の防除対策試験
予算区分    : 府単
研究期間    : 平成10年度(平成10~11年)
研究担当者 : 杉本充、伊藤一幸(農業環境技術研究所)
発表論文等 : スルホニルウレア系除草剤抵抗性雑草の出現とその防除
                    近畿作物育種研究会第146回例会にて講演発表、平成10年12月4日
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