水稲乾田直播栽培における茎葉処理除草剤の効果の特徴と使用法


[要約]
乾田直播栽培の畑期間に使用する茎葉処理除草剤は、処理時期等によって殺草限界が異なる。DCPA乳剤はベンチオカーブ乳剤との播種後同時処理に適し、シハロホップブチルベンタゾン液剤とビスピリバックNa塩液剤は入水前処理に適する。
岡山県立農業試験場・作物部
[連絡先] 08695-5-0271
[部会名] 作物生産(育種・栽培)
[専門]    雑草
[対象]    稲類
[分類]    研究

[背景・ねらい]
 乾田直播栽培における播種期前後から入水期までの省力的な除草体系確立の一環として、数種茎葉処理除草剤の効果の特徴と、それに応じた適用場面を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 茎葉処理剤の殺草効果は、処理から入水期までの長短や、同時に処理する土壌処理剤の種類によって異なる(表1)。
  2. DCPA乳剤は、枯殺可能な限界葉齢は他剤より低いが、ベンチオカーブ乳剤との同時処理により効果が増大・安定する。また、同剤はノビエ3葉期に同時処理すれば、並列して発生・生育しているメヒシバや各種広葉雑草に即効的で極大の効果が得られるので、播種後処理に適する。
  3. シバロホップブチルベンタゾン液剤とビスピリバックNa塩液剤は、いずれも入水前の処理では高葉齢のノビエに安定した効果を示すが、播種後の処理では4葉程度が枯殺限界で、メヒシバに対する効果も相対的に劣る。即ち、ノビエに対する限界葉齢で処理すると、同時期に発生したメヒシバを取りこぼす。また、ベンチオカーブ乳剤と同時処理するとイネ科雑草に対する効果がやや低下する。これらのことから、両剤は入水前処理では極めて有効であるが、播種後処理には適さない。
  4. シバロホップブチルベンタゾン液剤とビスピリバックNa塩液剤は、雑草を枯殺するまでに約3週間を要する。クサネム、イボクサ、スカシタゴボウ等の広葉雑草にはビスピリバックNa塩液剤の効果が優れるが、本剤は水稲にやや強い薬害がある。

[成果の活用面・留意点]

  1. ビスピリバックNa塩液剤は処理後2~3週間水稲の生育を抑制するので、初期生育が収量に影響しやすい早生品種や麦跡などの晩播栽培で使用する場合には注意する。
  2. 広葉雑草の残草が無い場合には、入水前にシハロホップブチル乳剤を用いてもよい。
  3. 後発生したノビエが大きくなり過ぎて入水後の除草剤で防除不可能とならないようにするため、入水前の処理時期は入水前5日以内とする。

[その他]
研究課題名 : 乾田不耕起直播を中心とした超省力・低コスト稲作技術の開発
予算区分    : 地域基幹農業技術体系実用化研究
研究期間    : 平成10年(平成6~9年)
研究担当者 : 杉本真一
発表論文等 : 農薬通信146号(1998) 新除草剤”ノミニー液剤”の効果と使用法、38-40
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