- [要約]
- 落水出芽法による湛水直播水稲は、慣行出芽法に比べて、根張りが良く、初期生育が旺盛なため、除草剤の薬害が軽減される。また、落水出芽法では、水稲 1.5葉期以降に数種移植用除草剤利用の可能性があることを確認した。
広島県立農業技術センター・作物研究部
[連絡先] 0824-29-0521
[部会名] 作物生産(育種・栽培)
[専門] 栽培
[対象] 稲類
[分類] 研究
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[背景・ねらい]
- 湛水直播栽培では移植栽培に比べて、登録除草剤が少なくその除草効果も低い。一方、落水出芽法による直播水稲は播種直後の根の伸長がよく、土壌処理除草剤の薬害を受けにくいと想定することができる。そこで、数種除草剤の落水出芽法による薬害軽減効果と利用の可能性について検討する。
[成果の内容・特徴]
- 除草剤シハロホップブチル・ジメタメトリン・ピラゾスルフロンエチル・プレチラクロール粒剤(CDPP剤)、ベンスルフロンメチル・ベンチオカーブ・メフェナセット粒剤(BBM剤)、ピリミノバックメチル・ベンスルフロンメチル・メフェナセット粒剤(PBM剤)のポット試験において、落水出芽区では慣行出芽区に比べて、各除草剤、各処理時期とも薬害が軽減する。特に水稲の1.5葉期処理では薬害が軽微である(表1)。
- 圃場試験におけるBBM剤の水稲0.5葉期処理でも、落水出芽区では、慣行出芽区に比べて、苗立数、茎数が多く、薬害が軽微である。また、落水出芽区において、CDPP剤、PBM剤の水稲の1.3葉期処理は、薬害が軽微で除草効果も高い(表2)。
- 落水出芽区の直播水稲は、慣行出芽区に比べて、根張りが良く(データ省略)、転び苗が少なく、初期生育が旺盛である(表1)。
- 以上のことから、水稲湛水直播栽培の落水出芽法では、慣行出芽法に比べて、根張り、初期生育が旺盛なため、除草剤の薬害が軽減される。また、これまで薬害により直播では登録されていない除草効果の高い移植用除草剤の一発処理剤(CDPP剤等)は、落水出芽法においては処理時期を水稲の1.5葉期以後とすることにより、雑草多発田での利用の可能性があることを確認した。
[成果の活用面・留意点]
- BBM剤の直播登録は処理時期が水稲1葉期以後である。また、CDPP剤、PBM剤は直播栽培に登録がない。適用拡大、登録のためには、さらに検討が必要である。
[その他]
研究課題名 : 大規模稲作経営推進のための超省力栽培技術体系の確立
予算区分 : 地域基幹
研究期間 : 平成10年(平成10年)
研究担当者 : 邉見由紀子、古土井悠
発表論文等 : 第31回広島県立農業技術センター研究成果発表会要旨集、1999.
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