- [要約]
- 開発機は歩行型2条の小型・軽量のタマネギ収穫機である。掘取り・剪葉・球の整列を一工程で行うことができ、剪葉長は4~20cmまで無段階に調節できる。輪距は1,170~1,370mmに調節でき、運搬時は軽四トラックに積載可能である。
兵庫県立中央農業技術センター・経営実験室
Y農機(株)、兵庫県農林水産部、普及センター、生研機構
[連絡先] 0790-47-1117
[部会名] 作物生産(機械・施設)
[専門] 農業機械
[対象] 茎葉菜類
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
- タマネギの収穫作業はほとんど人力に頼っているのが現状であり、しかも収穫時期が梅雨期と重なり後作との絡みで一時期に労働が集中する。そのため腰痛や手足のしびれを訴える農家が多く、手軽な収穫機の開発が強く望まれている。そこで、本県では研究・普及・行政が一体となり平成8年度地域緊プロ事業により生研機構の技術指導を得ながらY社と共同でタマネギ収穫機の開発に取り組み、本収穫機を完成させた。
[成果の内容・特徴]
- 2条を同時に収穫し、往復で1畝4条を処理する小型・軽量の歩行型収穫機である(図1)。
- 掘取り・剪葉・球の整列を一工程で行うことができる。剪葉長は4~20cmまで無段階に調節でき、青切り・コンテナ詰・吊り球の多様な形態に対応できる。
- 輪距はパワートレッド機構により1,170~1,370mmに調節可能で、運搬時は軽四トラックに積載できる。
- 整列精度は掘取られた球の 89.4%が10cm幅の間に、茎の向きは96.8%が45~135度の間に整列され、整列精度は極めて高い(表1)。
- 掘残しは3.6%、傷球は1.8%発生する。傷は軽いかすり傷程度で、商品価値が損なわれない(表1)。
- 剪葉長は20cmの設定に対し、最長45cm、最短2cm、平均21cmである。吊り球貯蔵を考えて15cm以下は短かすぎて束ねにくい、16~24cmは作業上支障がない、25cmは長すぎて再切断が必要の3段階に分けると、16~24cmが84%を占める(表1)。
- 作業能率は0.24m/sの作業速度における理論作業量は5.7a/h、ほ場作業量は4.9a/h、ほ場作業効率は86%となる。10a当たり作業時間は2.0時間となり、人力収穫の10.5時間と比べると約5倍の能率になる(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 本機は淡路を始め県下全域に適応できるが、マルチ栽培には適応できない。栽植様式は畝幅1.3m前後の4条植えとし、中央部の条間は25cm程度あける。
[その他]
事業課題名 : 地域特産農作物用機械開発促進事業
予算区分 : 国庫補助
研究期間 : 平成8年度
研究担当者 : 米谷 正、置塩康之
発表論文等 : なし
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