- [要約]
- 湛水直播栽培において、試作乗用土中施肥機により水稲の4~5葉期に、条間中央の深さ5~7㎝の土中に肥効調節型肥料を全量施肥することによって、通常の施肥量よりも窒素成分で20~25%の施肥節減ができる。
滋賀県農業試験場・栽培部・経営機械係
[連絡先] 0748-46-3081
[部会名] 作物生産(機械・施設)
[専門] 機械作業
[対象] 水稲
[分類] 研究
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[背景・ねらい]
- 環境と調和した農業の推進に資するため、湛水直播栽培において、乗用管理機の汎用利用による試作乗用土中施肥機を用い、水稲の4~5葉期に全量施肥を行うことにより、施肥節減および省力化を図る。
[成果の内容・特徴]
- 乗用管理機(I社製JK11)に車速に連動した繰り出し装置を搭載した土中施肥機(5条)を取り付け(図1)、水稲の4~5葉期に肥効調節型肥料をヒタヒタ水程度の水位で条間中央の土中(深さ5~7㎝)に施肥全量を施用する。
- 初期の草丈、茎数の増加は基肥施用区に比べ緩慢で、葉色も薄く経過するものの、土中施肥後は基肥施用区と遜色のない生育を示す。
- 水稲の生育期間を通して基肥+穂肥の体系施肥に比べ、土中施肥は田面水への窒素の溶出が少なく、環境への負荷軽減効果が認められた(図2)。
- 土中施肥区は基肥施用区に比べ、総施肥量を20~25%節減でき、収量は基肥施用区とほぼ同等となる(表2)。
- 土中施肥に要する作業時間は10a当たり32.1分で、乗用管理機装着型の散布機による穂肥の表面散布作業時間4.4分に比べ7.3倍の時間を要する(表1)。
[成果の活用面・留意点]
- 施肥時期が遅れると穂数不足により減収するので、適期に施用するとともに、品種特性に対応した肥効調節型肥料の種類と施肥量を設定する。
- 施肥時にほ場の土壌が固くなりすぎると、管理機の車軸による土の巻き上げが多くなり、欠株につながることがある。
- 全量土中施肥技術は、肥料の使用量節減につながる技術であるが、他作業との組み合わせなどにより、作業能率の向上を図ることが必要である。
[その他]
研究課題名 : 集落一農場方式における低コスト環境保全型湛水直播栽培の現地実証と経営評価
予算区分 : 地域基幹
研究期間 : 平成10年度(平成7~10年度)
研究担当者 : 山田善彦、中井 譲、藤井吉隆、鳥塚 智、小森信明、伊藤久司
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