寒冷地秋まき初夏どりキャベツセル成型苗のは種、定植適期と元肥施用法


[要約]
寒冷地初夏どりキャベツのセル成型苗利用において、積雪条件に耐え収穫を前進させるには、平坦地との標高差に応じては種、定植日を早め、元肥10a当たり窒素成分3kgを施せば、慣行地床苗と同じ生育、収穫時期が得られる。
兵庫県立北部農業技術センター・農業部
[連絡先] 0796-74-1230
[部会名] 野菜・花き(野菜)
[専門]    栽培
[対象]    葉茎菜類
[分類]    普及

[背景・ねらい]
 兵庫県北部地域のキャベツ栽培は、9月中下旬は種、育苗後晩秋に植え積雪下で越冬させて、6月中旬に収穫する作型である。この作型でセル成型苗を利用する場合、慣行の地床苗と同様の栽培法では、越冬後に消失株が発生したり生育が遅延し収穫時期も遅れる。そこで、本作型にセル成型苗を利用するために、標高別最適は種、定植日を明らかにするとともに、元肥施用法を改善し地床苗と同等の生育、収穫時期を得る方法を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. セル成型苗の越冬後(融雪直後)の生育は、は種、定植日が遅くなるほど劣り、地床苗との差が大きくなる。さらに、は種、定植日が同じでも標高が高くなるほど、生育量は少ない(表1)。標高350mの場合、‘YRフラットサワー3号’の9月20日以前のは種、‘SE’では9月13日以前のは種で地床苗と同等の収穫時期となる(図1)。
  2. 最適は種日の目安として、標高200m以下の平坦地では地床苗と同時期の9月下旬、標高350mでは9月中旬以前、標高600m程度ではより早い9月上旬と判断され、それぞれ35~40日育苗後定植する。
  3. 定植ほ場10a当たり元肥窒素成分3および6kg施用区は、セル成型苗の越冬前、越冬後とも無施用区に比べ生育は進み、地床苗とほぼ同等の生育量である(表2)。収穫始期は、‘YRフラットサワー3号’の無施用区6月25日に対し、施用区は11日早まり6月14日からである。‘SE’では施用区で8日早まるが、地床苗よりは若干遅くなる(図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 暖冬年に早植えや元肥を多施用すると、越冬前に生育が進み抽苔が起りやすい。
  2. ほ場残肥量や苗の生育状況を見て定植日や元肥施用量を調節する。

[その他]
研究課題名 : 移植・播種の機械化による多品目高品質野菜生産技術
予算区分    : 国庫助成(地域基幹)
研究期間    : 平成10年度(平成6~10年)
研究担当者 : 福嶋 昭、岩本 豊、佐藤 喬
発表論文等 : なし
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