- [要約]
- ナスの隔離床を利用した養液土耕による据置栽培では、培地量30 L/株、1主枝当たり側枝11本程度のV字4本仕立とし、秋冬季に弱小側枝の第1花房を摘除して第2花房に着果させることによって4年間の継続生産が可能であり、慣行促成栽培に比べて1~2割労働生産性が向上する。
岡山県立農業試験場・野菜・花部
「連絡先] 08695-5-0271
[部会名] 野菜・花き(野菜)
[専門] 栽培
[対象] 果菜類
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
- 一度植付けた株を数年にわたって栽培する据置栽培が実用化できれば、2年目以降は成木による継続生産が可能になるので、大幅な増収と省力化が期待できる。そこで、この据置栽培技術を開発する。なお、据置栽培は開発技術をできるだけ単純化するとともに土壌伝染性病害を回避するために、隔離床を利用した養液土耕栽培で行なう。
[成果の内容・特徴]
- 隔離床を利用した養液土耕システムは市販の養液栽培用給液装置、隔離床としてのマグロの出荷箱(発泡スチロール製)、埴壌土(田土)とヤシ殻チップを等量配合した30 L/株の培地、給液チューブ、排出液用樋などを用いた培養液かけ流し方式であり、培養液は園試処方で0.6~0.8単位、灌液開始点pF1.5で供給する。
- 4年間の据置栽培では、経年による収量の差はない(表1)。
- 側枝数は、V字4本仕立ての場合、1主枝当たり11本が多収である(表2)。
- 秋冬季の品質低下対策として、10~1月の間、側枝が3~5cm伸長した時点の第1花房第1花の蕾長が約3mm以上になっている弱小枝では、摘蕾して第2花房に着果させると、収量が低下せずに品質が向上する(表3)。
- 本方式で周年の連続収穫が可能となるが、据置栽培によって整枝・整芽労力が増加する。その対策として、7月下旬に最下側枝を残して切り戻す夏季主枝切り戻し方式を行なうと、8月の収量は連続収穫した場合の約2割になる、9月には9割程度に回復し、その後は、ほぼ同等に推移する(図1)。
[成果の活用面・留意点]
- 岡山県経営指導指標に準じて試算をすると慣行促成栽培に比べて、本栽培法の連続収穫方式では、農業所得が約9割、投下労働1時間当たり所得が約1割増加し、夏季主枝切り戻し方式では、農業所得が約5割、投下労働1時間当たり所得が約2割増加する。
- 県南平野部で導入できる。
[その他]
研究課題名 : 隔離床を用いた地下部環境制御等による果菜類の省力多収技術の確立
予算区分 : 県単
研究期間 : 平成5~9年
研究担当者 : 飛川光治
発表論文等 : なし
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