- [要約]
- 水なすの葉柄汁液分析結果に基づき、葉柄汁液中硝酸イオンを低濃度(平均548ppm)に維持した場合には減収となるが、高濃度(平均6539ppm)と中濃度(平均2270ppm)との間には品質・収量の差は認められない。
大阪府立農林技術センター・栽培部・野菜・花き室
[連絡先] 0729-58-6551
[部会名] 野菜・花き(野菜)
[専門] 栽培
[対象] 果菜類
[分類] 研究
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[背景・ねらい]
- 水なすは大阪府泉州地域の特産野菜であり、浅漬けに適したなすとして高い評価を得ているが、施設栽培では多肥栽培され、過剰な施肥による生産不安定化や周辺環境への悪影響が懸念されている。そこで、施肥量削減を目的として、定期的に分析した葉柄汁液中硝酸イオン濃度に基づく施肥管理が、水なすの品質・収量に及ぼす影響について検討する。
[成果の内容・特徴]
- 硝酸イオン試験紙による測定値とイオンクロマト(L7000:日立製)による測定値との相関は高く、決定係数は0.98以上であり、水なすにおいて硝酸イオン試験紙による硝酸イオン濃度の簡易分析が可能である(図1)。
- 硝酸イオン濃度は、高濃度区(以下H区)では6539ppm(変動係数16%)、中濃度区(以下M区)では2270ppm(変動係数45%)及び低濃度区(以下L区)では548ppm(変動係数95%)である。H区では比較的安定するが、M及びL区では大きく変動する。処理期間中の総窒素施肥量は、H区では13.50kg/10a、M区では9.98kg/10a及びL区では5.03kg/10aとなる(図2)。
- 処理期間中の可販収穫果実数は、H区(23.3±2.2個/株)とM区(24.7±1.1個/株)が多く、L区(21.2±1.7個/株)は少ない(図3)。
- H区で果形がやや長くなる傾向が認められるが、果形・果色ともその差は僅かであり、品質の低下は認められない(表1)。
[成果の活用面・留意点]
- 簡易分析法により、水なすの窒素栄養状態が現地ほ場で把握できる。
- 施肥量削減のための、適正な葉柄汁液中硝酸イオン濃度を設定する必要がある。
[その他]
研究課題名 : エコカルチャーシステムによる高品質特産野菜生産技術開発
予算区分 : 府単
研究期間 : 平成10年度(平成7~10年)
研究担当者 : 鈴木敏征、辰巳眞、森下正博
発表論文等 : 葉柄汁液中硝酸イオン濃度に基づく水ナスの施肥管理に関する研究、園芸学雑誌68巻別冊1(印刷中)
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