- [要約]
- 葉ぼたんの収穫期に発生する縁腐れ症の主な原因は凍霜害と考えられ、不織布を浮き掛け被覆することによって、大幅に軽減できる。
大阪府立農林技術センター・栽培部・野菜・花き室
[連絡先] 0729-58-6551
[部会名] 野菜・花き(花き)
[専門] 栽培
[対象] 花き類
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
- 葉ぼたんにおいて、収穫期(12月上旬)が近づくにつれ、株の中心葉もしくは同心円状に葉縁からネクロシスを呈する症状(写真1)(以下、葉ぼたん縁腐れ症という)が発生することがある。本症状は葉縁にひだがあり、中心葉が白色の名古屋ちりめん系の白色品種に多く発生する。また、年により葉縁にひだのない大阪丸葉系やちりめん系の紅色品種でも発症する。
- 葉ぼたんと同属のキャベツで類似の症状があり、凍霜害に起因するとされていることから、実用的な対策を講じるために、不織布霜除け資材の効果について検討した。
[成果の内容・特徴]
- 1997年、11月中旬まで慣行の管理を行った名古屋ちりめん系白色品種葉ぼたん(F1白かもめ)栽培ほ場において、被覆資材を使用しない「対照区」では、中・重症合わせ53%、軽症も含めると79%の発生であった(表1)。
- 初霜前の11月23日からトンネル状に設置した支柱の上に長繊維不織布(カネボウ合繊製ラクトロン)を畝上50cmに浮き掛け被覆する「霜除け区」では、縁腐れ症の発生は9%にとどまった(表1)。
- 粗目の寒冷紗を浮き掛け被覆する「寒冷紗区」では、縁腐れ症により出荷不可能となった株が52%あり、「対照区」と同程度の被害が認められ、発症防止効果がなかった(表1)。
- 「対照区」と「霜除け区」において、中心葉付近の気温推移を測定したところ、降霜のある時間帯に葉面付近での温度差が広がっており(図1)、発症と温度の関連が示唆された。
- 1998年、同じ不織布を用いて、設置方法の違いについて試験したところ、省力を目的とした「べた掛け」では発症防止効果がなかった(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 霜除け資材の縁腐れ症軽減効果は著しいものの、効果は完全ではない。特に、資材の設置方法については、労力的に問題はあるものの、浮き掛けにして作物体と霜除け資材の間に空間を確保する必要がある。
[その他]
研究課題名 : 地力増進対策に伴う花き輪作地帯での養分供給の制御
予算区分 : 高生産性土壌管理技術確立事業(国補)
研究期間 : 平成10年度(平成7~10年)
研究担当者 : 内山知二、奥野裕貴(中央指導セ)
発表論文等 : なし
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