ササユリ同一球根を用いた連年切り花生産技術


[要約]
ササユリ低温処理球根を用い、無加温ハウスでの1月上旬定植、4月下旬~5月上旬切り花の作型では、栽培中の球根の消耗が少なく、連年切り花生産が可能であり、同一球根で3回以上切り花生産することができる。
和歌山県農林水産総合技術センター・暖地園芸センター・園芸部・育種部
[連絡先] 0738-23-4005
[部会名] 野菜・花き(花き)
[専門]    栽培
[対象]    花き類
[分類]    普及

[背景・ねらい]
 ササユリでは開花球根の養成に時間と労力を要し、開花球根の生産コストが高く、1球1回の切り花生産では実用的でない。そのため、開花球根の切り下球を用いて連続切り花生産の可能性について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 栽培中の球根の消耗は、作型によって異なり、1月上旬定植、4月下旬~5月上旬切り花の作型が最も消耗が少なく、定植前の球根と切り花後の球根を比較すると栽培中に球根の肥大が認められることもある(表1)。
  2. 栽培中の球根は、出芽後発蕾までは肥大が進み、発蕾後切り花までは消耗が進む傾向にある。また、切り花後はほとんど球根の肥大との関係がみられない(図1)。
  3. 低温処理球根を用い、土壌消毒、球根の消毒を徹底し、無加温ハウスにおいて1月上旬定植、4月下旬~5月上旬切り花の作型で栽培することにより、同一球根で3年以上連続で切り花生産が可能である。また、連年開花による切り花長の低下はほとんど認められない(図2)。
  4. 開花球根の購入経費を300円/球根、切り花販売単価250円/本と仮定した場合、同一球根を用いて3作以上生産できれば、実用的である(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. ササユリ切り花の生産体系の一つとして利用でき、年内出荷品目との組み合わせも可能である。
  2. 球根の腐敗を防ぐため、毎年、土壌消毒、球根の消毒を徹底する必要がある。

[その他]
研究課題名 : 中山間地域活性化のための山野植物資源の園芸化及び利用技術の開発
予算区分   : 地域重要新技術
研究期間   : 平成10年度(平成7~10年)
研究担当者 : 宮本芳城、里村博輝、岡室秀作、林 純一
発表論文等 : 平成10年度農林水産業近畿中国地域研究成果発表会、43-57、1998.
目次へ戻る