冬季寡日照地域における切りバラの増収整枝法


[要約]
光合成専用枝を確保し、シュートを切り上げる「定植初年度の仕立て法」、採花出来ない枝を折り曲げる「冬季の整枝法」、樹高60㎝で漸次に母枝を折り曲げる「夏季剪定法」を組み合わせると、慣行栽培より収量が1.4~1.5倍増加する。
鳥取県園芸試験場・花き研究室
[連絡先] 0858-37-4211
[部会名] 野菜・花き(花き)
[専門]    栽培
[対象]    花き類
[分類]    普及

[背景・ねらい]
 本県は冬季(11月~3月)に寡日照条件となるため、切りバラの収量性が低い。しかしながら、全国的にみても寡日照地域におけるバラの栽培技術は未だ確立されていない。そこで、寡日照下でも多くの収量が得られる切り上げを主体とした樹形管理法を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 「定植初年度の仕立法」:定植した苗は、通常20~30日で蕾の大きさが小豆位の大きさになる。この時蕾を取り除いて腋芽を伸長させ、再度発生する小豆大の蕾を取り除いた時に、この枝を株の元から折り曲げ光合成専用枝とする。その後、折り曲げた枝の基部付近から発生するシュートの枝径が、5㎜(発蕾時)より細ければ再度基部から折り曲げるが、5㎜以上であればそのまま切り上げ採花を行なう(図1)。この方法(光枝+ピンチ区)は、定植後4年間にわたって慣行の仕立(ピンチ区)より増収となる(図3)。
  2. 「冬季の整枝法」:日照時間が短くなる約1ヶ月前の10月上旬から、5㎜以下の採花出来ない細い枝をその分岐位置で折り曲げ、蕾を取り除く(図1)。この方法は、慣行の母枝1枝あたり1~2芽に整理する方法に比べ、11~2月に増収となる(図2)。
  3. 「夏季剪定法」:4~6月に3回に分けて採花の終わった母枝から順に、60㎝の高さで折り曲げる(図1)。この方法(60漸次区)は、検討した5処理の中で最も多くの収量が得られる(図3)。
  4. 定植初年度から上記一連の処理を行えば、行わなかったものより40~50%増収となる。また、上記の「定植初年度の仕立て法」を行わなかった株でも「冬季の整枝」および「夏季剪定」を行えば20%程度増収となる(データ省略)ため、栽培中途の利用も可能である。
  5. この樹形管理法は、土耕栽培においてもロックウール栽培と同等の増収効果が得られる(データ省略)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 光合成専用枝は原則として取り除かないが、枯れ込んだものはその都度取り除く。また、この枝は込み入って病害虫が発生しやすいので、薬剤散布は入念に行う必要がある。

[その他]
研究課題名 : バラ栽培法確立試験
予算区分    : 県単
研究期間    : 平成9年度(平成4~8年)
研究担当者 : 岸本真幸、齊藤  哲
発表論文等 : 冬季寡日照下における切りバラの仕立て法および剪定法の改良が収量に及ぼす影響、園芸学会雑誌、第66巻、別冊2、572-573、1997.
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