キク「葉先枯れ症」の発生要因と防止対策


[要約]
キクの葉先枯れ症(仮称)は、高湿度、寡日照等が誘因となって発生するカルシウム欠乏症と考えられる。防止対策としては塩化カルシウムの葉面散布あるいは発生しにくい品種の栽培が効果的である。
岡山県立農業試験場・野菜・花部
[連絡先] 08695-5-0271
[部会名] 野菜・花き(花き)
[専門]    栽培
[対象]    花き類
[分類]    普及

[背景・ねらい]
 キクの無側枝性品種には、茎頂部付近の葉の葉縁部が壊死する障害、通称「葉先枯れ症」が発生する品種が多く、無側枝性品種の普及を妨げている。そこで、葉先枯れ症の発生要因を解明し、防止対策を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 葉先枯れ症は、当初生長点付近の幼葉が壊死し、葉の展開に伴って顕在化する。甚だしいものは生長点まで壊死する。
  2. 葉先枯れ症の発生程度には品種間差がある。‘盛月’が最も発生しやすく、次いで‘城下町’、‘松本の朝’、‘松本城’が発生しやすい。‘彼岸参り’と‘岩の雪山’は比較的発生しにくく、‘瀬戸の泉’と‘秋の輝き’は発生しにくい(図1)。
  3. 葉先枯れ症の初期症状は、極端に日照時間が短い日が2日以上続くと発生しやすい。また、加湿処理及び遮光処理は葉先枯れ症の発生を助長する(図2)。
  4. 水耕栽培でカルシウムの供給を停止すると、葉先枯れ症の発生が多くなる(図3)。
  5. 葉先枯れ症の発生は、塩化カルシウムの葉面散布によって抑制される(図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 葉先枯れ症の発生しやすい品種を栽培する場合、梅雨時に塩化カルシウムを上位葉を中心に散布する。塩化カルシウム濃度は0.4%程度、散布間隔は10日程度、展着剤の添加が適当と考える。
  2. 葉先枯れ症は、梅雨時に発生しやすいが、8~9月にも発生するので、梅雨明け後も塩化カルシウムを散布するのが良いと考える。

[その他]
研究課題名 : 無側枝性品種を用いたキク周年生産技術体系の確立
予算区分    : 県単
研究機関    : 平成9年度(平成7~9年)
研究担当者 : 森義雄、土居典秀、石橋英二、赤井直彦
発表論文等 : キクの葉先枯れ症に関する研究(第1報)・同(第2報)、園芸学会中四国支部研究発表要旨、第37号、54-55、1998.
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