オオブカトウキの効率的実生繁殖法


[要約]
採種は開花期から数え約8週間目に行う。水(比重1.0)で比重選した後、4℃の湿潤処理を40日程度行い、風乾、保存すると、発芽率、発芽速度、発芽の斉一性の高い種子が得られ、鉢花等の生産安定につながる。
奈良県農業試験場・山野植物プロジェクトチーム
[連絡先] 0744-22-6201
[部会名] 野菜・花き(花き)
[専門]    栽培
[対象]    花き類
[分類]    指導

[背景・ねらい]
 オオブカトウキは古くから生薬材料として栽培されてきた山野植物資源であるが、中山間地域の活性のため、新たに花き産品として利用するには、種子の発芽率の低さや発芽の不斉一が問題である。そこで発芽力に優れた種子の採種方法、種子の選別方法、発芽の斉一性向上法を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 開花期から数えおよそ56日目に採種すると発芽率が高く、発芽速度の速い、保存性に優れた(表1)種子が生産できる。
  2. 発芽率は比重が大きくなるに従って高くなるが、1.00を境に大きな差が見られる(表2)。また、種子は大きいほうが高いが、1.0mm未満の種子は全体の3.3%にすぎない(表3)。従って、比重1.00(水)のみの選別が実用的である。
  3. 湿らせた状態で低温(4℃)の保存処理を行うと発芽率の向上は見られないが、平均発芽日数は短く、発芽係数は小さくなり発芽速度が向上する。また処理後、12日間室内で風乾してもその効果は持続する(表4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 比重選は種子に小さい気泡がつきやすいので、しばらく液に浸し時々攪拌する。
  2. 低温湿潤処理は、5℃で40日間処理すると数%発芽するので、処理温度は4℃で行うか、5℃では処理期間を短縮する。

[その他]
研究課題名 : 中間地域活性化のための山野植物資源の園芸化及び利用技術
予算区分    : 地域重要新技術
研究期間    : 平成10年度(平成7~10年)
研究担当者 : 川岡信吾
発表論文等 : 薬用植物トウキ種子の発芽促進、奈良県農業試験場研究報告、第28号、47-48、1997.
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