- [要約]
- 着色塩ビシートの退色現象を利用した、積算日射量の簡易な測定法を開発した。積算日射量は、計測地点で暴露された園芸用のカラーラベルの明度を色差計で測定することによって求めることができる。
奈良県農業試験場・栽培技術担当・施設軽作業化チーム
[連絡先] 0744-22-6201
[部会名] 野菜・花き(花き)
[専門] 農業気象
[対象] 花き類
[分類] 研究
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[背景・ねらい]
- 近年、自生植物資源が注目されており、その有効利用に関する研究開発の促進が図られている。野外において、自生植物の生育環境の重要な要素である、自生地の日射環境を測定する場合、多数の個所を一定期間測定できる、安価でかつ簡易な方法がなく、研究の障害となっている。そこで、身近な素材と一般的な測定器具のみで、これらの要求を満たす方法を開発する。
[成果の内容・特徴]
- 日射の検出に用いるシートは、一般の園芸店で売られている塩化ビニル製のカラーラベル(暗赤色・88×12×0.5mm:D社製)で、1枚の価格は約5円である。
- 積算日射量は、カラーラベルを測定地点に水平に設置し、一定期間暴露した後、色差計で明度(Y値)を測定し算出する。
- 日射暴露したカラーラベルのY値(%)から積算日射量(MJ/㎡)を導く式は次のとおりである(1%水準で有意:図1)。
- 夏 期 : 積算日射量(MJ/㎡)=13.5Y 2-198Y+726
- 春秋期 : 積算日射量(MJ/㎡)=17.0Y 2-241Y+817
- 冬 期 : 積算日射量(MJ/㎡)=11.4Y 2-83Y-112
- 本方法により、夏期で約5日~2か月間、冬期で約15日~4か月間の積算日射量を測定することができる。
[成果の活用面・留意点]
- カラーラベルの明度(Y値)の初期値は8.5(%)を標準とし、8.4から8.6のものを選び測定に用いる。
- 同じ標準板で校正しても、測定機の種類によってY値が異なることがある(散乱光の受光特性が異なる)ので、この場合補正が必要となる(図2)。
[その他]
研究課題名 : 中山間地域活性化のための山野植物資源の園芸化技術の確立
予算区分 : 地域重要
研究期間 : 平成10年度(平成7~10年)
研究担当者 : 黒住 徹
発表論文等 : カラーラベルによる簡易日射測定法の開発、平成10年度園芸学会近畿支部大会発表要旨、13、1998.
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