夏秋茶葉の用途に応じた粉砕方法


[要約]
石臼で粉砕した場合、粒度が細かく、従来のまっ茶を添加した食品に向くと考えられる。ボールミルはざらつきがみられるため舌ざわりの影響のない食品への着色剤としての添加、ピンミルは粒度がさらに粗く、香りも低いため、緑茶としての成分のみを利用する食品への添加が適当である。
京都府立茶業研究所・製造課
[連絡先] 0774-22-5577
[部会名] 茶業
[専 門] 利用加工
[対 象] 工芸作物類
[分 類] 指導

[背景・ねらい]
 中山間地域での利用が低下している夏秋期の茶葉原料(夏秋茶)の活用について、被覆した夏秋茶葉をてん茶機により作出し、その茶葉を異なる粉砕機を用い、粉砕した製品の品質を比較し、用途に応じた粉砕方法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 二番茶期に1週間程度被覆をした原料(やぶきた)を製茶し、石臼で粉砕したものは、粒度が細かく、揃っている(図1)。
    測色値等は、まっ茶に近い値を示し色調も明るく、一番茶のまっ茶に近い芳香がある(表2)。
  2. ボールミルで粉砕したものは、粒度分布にピークが2つあり、やや不揃いな粒度となる(図1)。石臼で粉砕したものと比較して、鮮やかさが少なく、品質もざらつき、青臭味がある(表2)。
  3. ピンミルは、時間あたりの粉砕量は多いが、粒度が最も粗くなった(表1図1)。測色値は、明度(L)、彩度(c)の値が他に比べ低く、明るさと鮮やかさに欠ける。また、苦渋味が強い(表2)。
  4. これらの結果から石臼で粉砕した場合、従来のまっ茶を添加した食品に向くと考えられる。ボールミルはざらつきがみられるため舌ざわりの影響のない食品への着色剤としての添加、ピンミルは粒度がさらに粗く、香りも低いため、緑茶としての成分のみを利用する食品への添加が適当である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 粉末茶の利用用途に応じた粉砕機の選択が必要である。
  2. 石臼、ボールミルは粉砕能力が低いが細かい粒度が得られる。

[その他]
研究課題名:夏秋茶葉(二番茶を含む)を用いた茶の用途別粉砕法の検討
予算区分 :助成(新技術)
研究期間 :平成11年度(平成10~12年)
研究担当者:牧英樹、上辻久利、村上宏亮、瀬戸谷隆治、和泉秀明
発表論文等:夏秋茶葉(二番茶を含む)を用いた茶の用途別粉砕法の検討、茶業研究報告第88号(別冊)、116-117、1999.

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