天水を利用した簡易飲水器の開発
- [要約]
- 無水源地での放牧牛への給水を目的に、天水を利用した簡易飲水器を開発した。20日に50mm以上の雨が降れば1000Lの営農タンクで、飲水を補給しなくても継続して成牛2頭の放牧が可能である。
岡山県総合畜産センター・和牛改良部・和牛飼養科
[連絡先] 0867-27-3321
[部会名] 畜産
[専 門] 飼育管理
[対 象] 肉用牛
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- 棚田等利便性の劣る立地条件にある耕作地は今後一層の耕作放棄による荒廃化が進むことが予測される。一方、中山間地の畜産経営においても老齢化、副業化により省力管理としての放牧利用が望まれている。しかしながら、草地に水源が無いことで放牧が実施できない草地も存在している。
- そこで、天水を利用した簡易飲水器を開発し、その普及性について検討した。
[成果の内容・特徴]
- この簡易飲水器の構成は図1に示したとおりである。傾斜地を利用して雨水を集水し、飲水として利用するところに特徴がある。
- 集水は、農業用シート(10m×10m)を用い、営農タンク(500Lタンク2基)に貯水後、フロート付の飲水装置で利用する。
- 20日間に50mm以上の雨が降れば、1,000 Lの営農タンクで飲水の補給をすることなく、成牛2頭の放牧が可能である(図2)。
- 施設費は、約9万円と比較的安価に設置できる。
[成果の活用面・留意点]
- 天水を利用した簡易飲水器の導入により、水源のない場所でも放牧利用が可能となり、特に棚田等の小規模な遊休地において有効と考えられる。
- 傾斜地での設置及び持ち運びのためには、500Lタンク2基を用いた方が利用性が高い。
- 雨水が停滞することで生じる飲水の腐敗については、500Lタンクを並列で設置することで防止できる。
- 集水槽と貯水槽の接合部の残り水にボウフラが発生しやすいので、集水槽に傾斜をつけるなどして残り水が生じないように工夫する必要がある。
- 使用しなくなったFRPサイロ等を活用することで、さらに施設費の軽減が可能である。
- 表1 [具体的データ]
[その他]
研究課題名:中山間地の基盤を生かした酪農・肉用牛生産技術の体系化
-放牧による荒廃地の農地活性化技術の確立-
予算区分 :地域基幹
研究期間 :平成11年度(平成11~14年)
研究担当者:平本圭二、木曾田 繁
発表論文等:岡山県総合畜産センター研究報告第11号に掲載予定
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