黒毛和種(但馬牛)における母牛の1日当たり推定乳量と子牛の初期発育との関係
- [要約]
- 子牛の12週齢までの発育は哺乳量に影響を受け、特に4週齢の1日当たり乳量と初期発育の関係が深い。4週齢の子牛の体重及び1日当たり増体量から母牛の 1日当たりの乳量推定が可能となり、哺育初期の代用乳、人工乳給与の目安として利用できる。
兵庫県立北部農業技術センター・畜産部
[連絡先] 0796-74-1230
[部会名] 畜産
[専 門] 飼養管理
[対 象] 肉用牛
[分 類] 指導
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[背景・ねらい]
- 肉用子牛の市場価格は出荷時の発育に大きく影響され、特に子牛の初期発育は母牛の哺育能力に大きく影響を受けるといわれている。哺育能力の実体である母牛の乳量について個体ごとに簡易な推定ができればそれに応じた対応が可能となるが、現状では的確かつ簡易な乳量推定法が確立されていない。
- そこで肉用繁殖牛における乳量と産子の発育との関係を解明し、個体ごとの簡易な乳量推定法を確立することにより哺乳子牛の効率的な飼養管理に活用する。
[成果の内容・特徴]
- 黒毛和種(但馬牛)の母子140組を用い、分娩直後の哺乳量と4、8、12週齢の1日当たり哺乳量を体重差法で測定した。子牛へは4週齢から人工乳と乾草を給与した。
- 産子の平均生時体重は雄が25.1kg、雌が22.8kgであったが、初回哺乳までの時間、哺乳時間、哺乳量は性別で大差が無く全平均は各々平均95分、44分、0.68kgであった。調査牛全体の分娩後4、8、12週時の1日当たり哺乳量は各々平均 5.3kg、4.2kg、3.3kgであったが、4、 8週では雌子牛よりも雄子牛のほうが哺乳量が多い傾向がみられる(表1)。
- 各週齢における1日当たり哺乳量は2~6産次で多く、1産と7産次以上で少ない傾向がある(図1)。
- 4週齢の1日当たり哺乳量と4、8、12週時の子牛の体重、1日当たり増体量(DG)との相関係数は概ね0.6以上であった(表2)。 このことから各週齢の子牛の体重及びDGをもとにして4週齢における1日当たり乳量を推定することができる(図2、3)。
[成果の活用面・留意点]
- 分娩後なるべく早い段階、遅くとも4週時で乳量不足とみられる場合は代用乳、人工乳の給与で不足分を補充する。
- 推定式で1日当たり乳量を推定する場合、産子が雌ならば推定誤差がやや大きくなるので注意する。
[その他]
研究課題名:肉用繁殖牛の哺乳量推定技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成10年度(平成8~10年)
研究担当者:野田昌伸、木伏雅彦、福島護之
論文発表等:黒毛和種における哺乳量が子牛の初期発育に及ぼす影響、第36回肉用牛研究会北海道大会、18-19、1998.
黒毛和種における哺乳量が子牛の初期発育に及ぼす影響、肉用牛研究会報第67号、14-18、1999.
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