冷水給与と送風の組み合わせによる搾乳牛の暑熱対策


[要約]
数時間の絶水後、冷水を給与することで飲水量に応じて体温の低下効果がある。夜間の絶水後の冷水及び水道水の給与は効果的で、飲水後75分に送風を行うことで一層の体温低下効果が期待できる。
岡山県総合畜産センター・経営開発部・大家畜部
[連絡先] 0867-27-3321
[部会名] 畜産
[専 門] 飼育管理
[対 象] 乳用牛
[分 類] 指導

[背景・ねらい]
 高泌乳牛の暑熱期の管理は、体温の日内変動を念頭に入れた対策が重要となっている。地域における防暑対策の中心は、扇風機による送風であるが、牛舎構造等によりその効果は大きく異なる。また、冷水の給与による体温低下効果は、極めて短時間であることから、冷水給与と送風を組み合わせた体温低下効果を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 平均乳量26.4kg/日の搾乳牛14頭を使用し、早朝(7:00)と夜間(23:00)にそれぞれ12時間及び4時間絶水後の冷水等の給与効果を検討した。体温低下効果は、環境温度が下がる夜間のほうが大きく、給水60分後の体温は、不断給水の対照区に比べて冷水区P<0.01)、水道水区(P<0.05)は有意に低下する(図1)。なお、冷水区の水温は15℃に設定し、水道水は25~27℃であった。
  2. 飲水後60分の体温は、乳牛の体重100kg当たりの冷水飲水量に比例して低下する(P<0.05)(図3)。
  3. 冷水等の給与により体温は、図1に示すように飲水後60分で最低となり、その後上昇することから、飲水後75分から送風する必要がある。送風により体温低下が持続する(図2)。
    なお、送風はつなぎ牛舎の天井に固定された送風機で搾乳牛の左上方から行い、牛の背部での風力は2~3m/sであった。

[成果の活用面・留意点]

  1. 乳牛への冷水の給与は馴致期間が必要であり、あまり冷たい水は好まない。
  2. 送風は飲水後75分から連続した強い風が望ましい。
  3. 本試験では絶水による泌乳量の影響はなかったが、気温が高いときは絶水時間を短くする必要がある。

[その他]
研究課題名:温暖地における高泌乳牛の精密栄養管理による地域飼料給与システム
      -高泌乳牛の代謝熱に対応した暑熱対策の検討-
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成9~11年度)
研究担当者:谷田重遠、秋山俊彦
論文発表等:高泌乳牛の代謝熱産出に対応した暑熱対策の検討(Ⅱ)、岡山県総合畜産センター研究報告、第10号、5-9、1999.

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