活性汚泥を利用した曝気処理による牛尿汚水の臭気低減
- [要約]
- 牛尿汚水の圃場散布時臭気低減を図るため、活性汚泥を用いた曝気処理を行うことにより、臭気低減効果を示し、BOD容積負荷量0.8kg/m3 ・日以下で曝気時臭気の発生は少なく、特に、0.4kg/m3 ・日以下では臭気の発生はほとんどない。
岡山県総合畜産センター・飼料環境部・環境衛生科
[連絡先] 0867-27-3321
[部会名] 畜産
[専 門] 環境保全
[対 象] 乳用牛
[分 類] 指導
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[背景・ねらい]
- 牛尿汚水を散布によって圃場に土地還元している場合、臭気の発生が甚だしいため、曝気処理により臭気の低減を図っている例もある。しかし、曝気時の高濃度アンモニア発生問題が新しく派生する。
- そこで、尿汚水の圃場散布時臭気低減を目的とし、不用酒樽等を用いた簡易処理施設を前提として、活性汚泥による曝気時臭気の低減効果を検討した。
[成果の内容・特徴]
実験室内試験として、活性汚泥量(MLSS)を10,000ppmに調整した曝気槽(有効容積6L)に対してBOD容積負荷量0.4~3.2kg/m3 ・日及び尿汚水直接曝気の5区を設けた(表1、図1)。
- アンモニアの発生は、BOD負荷量1.6kg以上で300ppm以上認められ、負荷量の低い1区、2区では、それぞれ曝気直後10ppm、40ppmであり、時間の経過とともに低下したが、1区では投入7時間後には検出されなくなった(図2)。
- 硫黄化合物系臭気は、曝気開始直後、多量に発生するが、時間の経過とともに急激に減少する傾向を示した。また、BOD負荷量が多い程臭気も強い傾向を示し、特に、メチルメルカプタンは曝気21時間後でも、負荷量1.6kg以上の高負荷区は低負荷区(負荷量0.4、0.8kg)の10倍以上発生した(図3)。
- 処理水は、負荷量0.8kg以下で酸化態窒素の産生、負荷量1.6kg以上でアンモニア態窒素の蓄積が認められ、これに付随してpH値の変動がみられた(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 簡易曝気処理における活性汚泥投入は、曝気時臭気低減に効果があるが、BOD負荷量、曝気量等活性汚泥法の基本的事項を遵守する必要がある。
- 簡易曝気施設を設計するにあたっては、汚水排出量、BOD濃度を把握し、BOD容積負荷量0.4kg/m3 ・日以下とする必要がある。また、定期的にSV30を測定、活性汚泥量(MLSS)を推定、調整しなければならない。
[その他]
研究課題名:臭気低減のための牛尿汚水簡易処理法の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成8~10年度)
研究担当者:古川陽一、白石 誠、脇本進行、日野靖興
論文発表等:臭気低減のための牛尿汚水簡易処理法の確立(Ⅱ)
活性汚泥を用いた簡易曝気処理による圃場散布時臭気の低減、岡山県総合畜産センター研究報告、
10号、57~60、1999.
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