光ファイバ分光測光法による牛脂肪の品質評価


[要約]
牛脂肪に対して光ファイバ分光測光法を適用して、脂肪の見栄えなどに影響する主な要因を簡易に解析、評価することができ、脂肪の理化学的性状が迅速に推定可能である。
大阪府立農林技術センター・畜産部・応用畜産室
中国農業試験場・畜産部・産肉利用研究室
[連絡先] 0729-58-6551、08548-2-0144
[部会名] 畜産
[専 門] 食品品質
[対 象] 肉用牛
[分 類] 研究

[背景・ねらい]
 国内の肉用牛生産にとって、品質の向上は緊急かつ重要な課題である。質的向上のためには、現在の生産物の品質を客観的に評価する技術を開発し、肉質の問題点やわが国の流通・消費ニーズにあった肉質を探り、品質制御技術を確立する必要がある。そこで、牛脂肪の品質変動要因の調査、野外でも適用可能な迅速かつ安全、安価な方法を目指して、新たな測定法を開発することを目的とする。

[成果の内容・特徴]

  1. 脂肪の見栄え、特に色調に影響する要因は黄色成分としてのカロテン含量、赤色成分としてのヘモグロビン含量であり、特にヘモグロビンは化学的変化を起こして、褐色化(410、500、630nm付近の吸光)や暗色化(430、555付近の吸光)の原因となる。また、結合組織はほぼ全域の可視範囲の反射率を高め、白色化を増す要因となっている(図1)。
  2. コラーゲンなどの結合組織、貯蔵脂肪は紫外線に対して蛍光を発し、人の目に白さを強調させる効果を与えている(図2)。
  3. 脂肪は融点、屈折率、透過度において様々な質のものが存在し、それらに関与する透明度が見栄え(白色度、色素の見えやすさ)に関係している(図略)。
  4. 光ファイバ法は、表面反射でBFS(牛脂肪色基準)(図3a)、内部反射率で融点、屈折率と有意な相関があり(図3b)、脂肪の質を迅速に推定できる可能性がある。

[成果の活用面・留意点]

  1. 光ファイバ法によれば脂肪の着色などの原因を評価することができる。
  2. 屈折率の高い脂肪の方が市場での評価が高い傾向にあり、脂肪の質の評価基準を策定する必要がある。
  3. 実際の評価には専用機を用いた多数の検体によって検量線の作成が必要である。

[その他]
研究課題名:牛肉品質の新測定法の開発
予算区分 :農林水産省プロジェクト研究(畜産対応研究)
研究期間 :平成11年度(平成10~12年)
研究担当者:入江正和
発表論文等:Optical evaluation techniques for bovine fat. 45th International Congress of Meat Science and Technology, Congress proceedings, 376-377, 1999.

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