薩摩鶏雄の増体性に関するマーカーアシスト選抜


[要約]
「ひょうご味どり」の作出に用いた薩摩鶏雄の増体性に関する量的形質座(QTL)は第1染色体のセントロメアから120cM付近にあることが判明した。これにより薩摩鶏雄のマーカーアシスト選抜が可能となった。
兵庫県立中央農業技術センター畜産試験場・家畜部
[連絡先] 0790-47-1117
[部会名] 畜産
[専 門] バイテク
[対 象] 肉用鶏
[分 類] 研究

[背景・ねらい]
 本県の特産鶏「ひょうご味どり」は薩摩鶏雄と名古屋種雌との二元交配鶏「兵庫」に劣性白色プリマスロックを交配した三元交配鶏である。このうち特に薩摩鶏雄は増体性が悪く、個体間の生体重及び発育のばらつきが大きい。このため、「兵庫」及び「ひょうご味どり」についても増体性において薩摩鶏雄と同様の傾向がみられる。
 「ひょうご味どり」の生産性向上のため、増体性に関する「薩摩鶏」雄のDNA育種手法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 薩摩鶏雄と白色レグホーン雌各1羽から得られたF1 雄2羽とF1 雌10羽から3回に分けて作られたF2 232羽の13週齢時の平均体重は雄、雌ともに各回の間に有意差はなく、実験家系として有効であった。
  2. 19本の常染色体上の72のマイクロサテライトマーカーを用いたF2 のDNA型と13週齢における体重との連鎖解析の結果、LODスコア値が最も高い値を示したのは第1染色体のセントロメアから120cM付近で、そのLODスコア値は5.16であった。利用したマーカーの中でこの部分に最も近いマーカーはADL19及びADL192であった()。
  3. 実験家系とは別に飼育した薩摩鶏雄52羽のADL19のDNA型判定を行った結果、ADL19には3つのDNA型があり、すべてホモ型であった。大半は1つのDNA型で占められていたが、DNA型により体重に差がある傾向がみられた()。
  4. ADL19は増体性と連鎖していると思われ、これによる薩摩鶏雄のマーカーアシスト選抜が可能となった。

[成果の活用面・留意点]

     薩摩鶏雄の体重選抜に有効であるが名古屋種雌、ホワイトロックについても調査する必要がある。

[その他]
研究課題名:DNA育種手法を用いた薩摩鶏雄の増体性向上技術
予算区分 :県単
研究期間 :平成10年度(平成8~10年)
研究担当者:龍田 健、藤中邦則、山崎宗延
発表論文等:

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