乳用雌牛へのビタミンE給与による肉色安定効果
- [要約]
- ジャージー種雌牛に対し、保存中の肉色の褐色化を抑制する目的で、出荷前平均78日間、ビタミンEを1,000mg/頭/日給与し、4℃、暗所で保存したところ、大腿二頭筋において褐色化の指標であるメトミオグロビンの形成を抑えることができた。
岡山県総合畜産センター・経営開発部・先端技術科
[連絡先] 0867-27-3321
[部会名] 畜産
[専 門] 加工利用
[対 象] 乳牛
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 岡山県北部の蒜山地域おいて、乳用牛として特産的に飼養されているジャージー種の牛の肉は、肉色が濃いうえ、精肉に加工したときの色の変化(褐色化)が早い。このため、食肉としての市場評価が低く、特に経産牛や雄子牛の価格は低迷している。
- そこで、好ましい肉色を小売り段階で保持させるために、抗酸化剤であるビタミンE(酢酸-dl-α-トコフェロール)を雌牛の飼い直し肥育中(平均78日間)に1,000mg/頭/日給与し、得られた筋肉部位をステーキ状に整形して、4℃、暗所で保存し、その間の肉色変化をメトミオグロビン形成割合(MetMb)を指標に検討した。
[成果の内容・特徴]
- 大腿二頭筋において、保存72時間後のMetMbはビタミンE給与区で36.7%となり、無給与(対照区)の52.2%に比べて有意に低く、褐色化の抑制効果が認められる(図1)。
- 肉中のビタミンE含量は給与期間が長いほど高く、含量が高いほどMetMbは少ない。安定した褐色化抑制効果を期待するには、少なくとも1,000mg/頭/日で90日以上の給与が必要と考える(図3、4)。
- 胸最長筋では、大腿二頭筋とは逆に給与区の方が対照区に比べて、その差は小さいものの、MetMbが有意に高く、筋肉部位によりビタミンE給与の効果が異なる(図2)。
[成果の活用面・留意点]
- 肉色の安定化を目的としたビタミンEの給与は、筋肉の特性や保存条件などによって効果の程度が異なる。対象とする品種や筋肉部位、熟成期間、褐色化抑制の程度などを勘案して給与条件を決める必要がある。特に、乳用雌牛は飼養条件などが農家によって異なるので注意を要する。
- 群飼いの時は均一にビタミンEが摂取できるよう、給餌方法を検討する。
[その他]
研究課題名:地域食肉資源の特性把握と有効利用に関する研究
予算区分 :県単
研究期間 :平成10年度(平成9~12年)
研究担当者:栗木隆吉
発表論文等:肥育期間中の酢酸-dl-α-トコフェロール給与がジャージー種雌牛肉の保存中の肉色変化に
及ぼす効果について、岡総畜セ研報、10号、1-4、1999.
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