イタリアンライグラスの出穂期における乾物率の簡易選抜法と選抜効果


[要約]
イタリアンライグラスの出穂期における個体乾物率は、1株中の最長茎1本の乾物率を測定することで推定できる。測定時期は穂ばらみ期から出穂期で推定精度が高い。ワセユタカを乾物率について3世代選抜すると、乾物率が2.6ポイント向上した。
山口県農業試験場・育種開発部・作物育種グループ(牧草育種指定試験地)
[連絡先] 083-927-0211
[部会名] 畜産
[専 門] 育種
[対 象] 牧草類
[分 類] 研究

[背景・ねらい]
 イタリアンライグラスの利用法は、出穂期刈りによる乾草またはサイレージ利用が中心であることから、予乾調製に有利な高乾物率系統の作出が望まれる。そこで、乾物率についての選抜効果と、育種に応用可能な選抜手法を検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 集団の出穂期における個体乾物率は、地際から採取した1株中の最長茎の乾物率から推定できる(図1)。葉身のみでは相関が低かった(r=0.411)。
  2. 測定時期は穂ばらみ期から出穂期とする(表1図2)。これよりも早期になるに従い、出穂期の個体乾物率との相関は低くなり、推定精度は低下する(表1)。
  3. 集団の出穂期における各個体の乾物率とその出穂程度の相関は低く(r=0.197)、出穂の遅速による推定精度への影響は少ない。
  4. 集団の出穂期において、個体乾物率でワセユタカを3世代選抜した結果、出穂期の乾物率が2.6ポイント向上し(図3)、選抜の効果が認められた。

[成果の活用面・留意点]

  1. サンプリングと乾物率の測定が効率化し、調査後の個体をそのまま交配に供することができるため、高乾物率系統育成のための簡易な選抜手法として利用できる。

[その他]
研究課題名:暖地向きイタリアンライグラスの育成
予算区分 :指定試験
研究期間 :平成11年度(平成7~10年)
研究担当者:藤原健、林克江、横畠吉彦、小橋健、水野和彦

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