早生及び極早生ウンシュウの結果量・収穫時期と貯蔵養分について


[要約]
早生及び極早生ウンシュウの着果量の多少と収穫時期の早晩による貯蔵養分は、樹体のデンプン含量の蓄積に影響し、着果過多樹では新葉、旧葉、細根、春枝で、収穫時期が遅いと細根、春枝で低くなる。
和歌山県農林水産総合技術センター果樹園芸試験場・栽培部
[連絡先] 0737-52-4320
[部会名] 果樹
[専 門] 栽培
[対 象] 果樹類
[分 類] 研究

[背景・ねらい]
 ウンシュウミカンの隔年結果現象は最近増加傾向であり、夏秋期の干ばつ、収穫時期の遅れによる樹勢低下が主な要因とされている。
 そこで、「宮川早生」成木の着果量の多少と樹体養分及び「宮本早生」成木の収穫時期の早晩と翌年の着花数との関係を検討する。なお、「宮川早生」25年生を供試した収穫時の着果量は、1樹当たり多の樹で587~904果、少の樹で20~58果であり、「宮本早生」17年生を供試した収穫時期は9月30日及び12月10日である。

[成果の内容・特徴]

  1. 貯蔵養分のデンプン含量は、各器官において着果過多樹で少ない。11月には着果量が少の樹は各器官とも8月の2倍程度に増加するが、着果過多樹ではほとんど増加しない(図1)。
    また、全糖含量は着果過多樹の細根で低いが、他の器官では差が見られない(図2)。
  2. 「宮本早生」を12月10日まで収穫時期を遅らせると、細根及び春枝のデンプン含量の蓄積が少なくなるが、全糖含量には差がない(図3)。
  3. 「宮本早生」の収穫時期を遅らせると、翌年の直花数、有葉花数共に少なくなるが、新葉数には差がない(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 翌年の着花状態を予測する手段として、細根や春枝中のデンプン含量を測定すれば判定できる。
  2. 極早生ウンシュウでも収穫時期を遅らせると、翌年の着花数が減少する。

[その他]
研究課題名:ウンシュウミカンの均質・安定生産システムの確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成10~11年度(平成10~14年)
研究担当者:中地  克之、植田 栄仁
発表論文等:ウンシュウミカンの結果量・収穫時期と樹体養分及び翌年の着花数について、園学雑68、別2、185、1999.

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