カンキツ「清見」の春夏肥の窒素吸収移行
- [要約]
- カンキツ「清見」の幼樹では、4月施用窒素は新葉等の新生器官、6月施用窒素は果実に多く移行し、施用窒素の利用率は4月に比べて高い。
和歌山県農林水産総合技術センター果樹園芸試験場・品質環境部
[連絡先] 0737-52-4320
[部会名] 果樹、生産環境(土壌肥料)
[専 門] 栽培
[対 象] 果樹類
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 樹上越冬する「清見」は、食味良好で市場性も良く、本県の中晩生カンキツの振興品目の柱であり、冬期に降霜が少ない地域を中心に栽培面積が増加している。しかし、完熟果生産や着果負担から隔年結果性がみられたり、樹勢が旺盛なため栄養生長に偏ることもあり、県内の平均収量は2t程度と低水準で推移している。そこで、「清見」の連年安定生産を図るための肥培管理法を確立する一環として、15N硝安を用いて「清見」幼樹における4月および6月の施肥窒素の吸収移行特性を検討する。
[成果の内容・特徴]
- 試験区の構成は表1のとおりである。
- 開花数は窒素施用量が少ないと減少し、結実歩合は窒素施用量が標準の1/2の場合に低い(表1)。
- 4月施用樹の7月における窒素含有率は、新葉等の各器官で窒素施用量が多いほど高い(表2)。
- 4月施肥由来窒素の7月の含有量は、窒素施用量が標準の1/2の場合に新葉と旧葉の葉身、窒素施用量が標準~3/2の場合に新葉の葉身と果実の器官で多い(図1)。
- 6月施用樹の9月における窒素含有率は、窒素施用量が標準の3/2の場合に新葉等の各器官で高く、窒素施用量が標準~1/2の場合に差はみられない(表3)。
- 6月施肥由来窒素の9月の含有量は、窒素施用量が標準の1/2の場合に新葉の葉身と細根、窒素施用量が標準の場合に果皮と果肉、窒素施用量が3/2の場合に新葉の葉身、果皮および果肉で多い(図1)。
- 施用窒素の利用率は4月施用に比べて6月施用で高い(図1)。
[成果の活用面・留意点]
- 清見の連年安定生産を図る肥培管理法を確立するための基礎資料とする。
[その他]
研究課題名:地域特産カンキツの軽作業化を基幹とした高品質果実生産流通技術
予算区分 :地域基幹農業技術体系化促進研究
研究期間 :平成11年度(平成11~14年)
研究担当者:横谷道雄、鯨 幸和、菅井晴雄
発表論文等:カンキツ‘清見’の春夏肥窒素の吸収移行、園芸学会雑誌、第69巻別冊1、205、2000.
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