チリカブリダニ放飼によるぶどうのカンザワハダニの防除
- [要約]
- 超早期加温及び早期加温ハウス栽培ぶどうで被害が問題になるカンザワハダニに対し、2~4月にチリカブリダニを2~3個体/㎡、2週間間隔で3回放飼すると、高い防除効果が得られる。
大阪府立農林技術センター・環境部・病虫室
[連絡先] 0729-58-6551
[部会名] 生産環境(病害虫)
[専 門] 作物虫害
[対 象] 果樹類
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- カンザワハダニはハウス栽培ぶどうで多発すると早期落葉を引き起こし、果房の着色不良、糖度不足など果実品質に悪影響を及ぼすが、薬剤による防除は困難である。そこで、ハウス栽培ぶどうにおいて捕食性天敵チリカブリダニの放飼によるカンザワハダニの防除効果を検討する。
[成果の内容・特徴]
- チリカブリダニはぶどう棚面の葉に効率良く放飼するために増量剤のバーミュキュライトごとティッシュペーパーで包み、ぶどう亜主枝の分岐点(50~80か所/10a)に置く方法で放飼する。放飼時間は25分/10a/人で比較的短く、省力的である。
- 早期加温ハウス栽培ぶどう(品種デラウェア、1月中旬加温開始)においてチリカブリダニを4~5月に2週間間隔で3回、3.3個体/㎡放飼すると、放飼区ではチリカブリダニの定着が認められ、6月下旬にはカンザワハダニの発生密度が減少する(図1)。
- 超早期加温ハウス栽培ぶどう(品種デラウェア、12月中下旬加温開始)においてチリカブリダニを2~3月に2週間間隔で3回、ほ場Aでは2.2個体/㎡、ほ場Bでは2.7個体/㎡放飼すると、ほ場Aの放飼区ではカンザワハダニの発生密度は無放飼区より少なく推移し、ほ場Bの放飼区ではカンザワハダニの発生は認められない(図2)。
[成果の活用面・留意点]
- チリカブリダニは1999年11月25日にぶどうのハダニ類に対して農薬登録された。
- 高温乾燥条件では放飼したチリカブリダニの定着に悪影響を及ぼすため、無加温ハウス栽培ぶどうにおける夏季の放飼では防除効果が劣る可能性がある。
- ハダニ類以外の病害虫が多発した場合は、イミダクロプリド剤などチリカブリダニに対して悪影響の少ない薬剤で防除する。
[その他]
研究課題名:特産果樹の害虫に関する研究
予算区分 :府単
研究期間 :平成11年度(平成8~11年)
研究担当者:柴尾 学、田中 寛、草刈眞一
発表論文等:チリカブリダニによるぶどうのカンザワハダニの防除、関西病虫研報、40号、137-138、1998.
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