着色フィルムを用いた太陽熱土壌消毒によるレタスビッグベイン病防除法


[要約]
夏期に赤外線透過型着色フィルムをマルチ施用することで太陽熱消毒し、その後マルチを取らずにレタスを定植することにより、レタスビッグベイン病防除が可能となる。
兵庫県立淡路農業技術センター・農業部
[連絡先] 0799-42-4880
[部会名] 生産環境(病害虫)
[専 門] 作物病害
[対 象] 葉茎菜類
[分 類] 普及

[背景・ねらい]
 ビッグベイン病の病原ウイルスは土壌中のオルピディウム(Olpidium )菌によって媒介され、ウイルス感染すると収量低下を招き、深刻な問題となっている。そのため透明フィルムを用いた太陽熱消毒が普及しているが、太陽熱消毒後もそのままレタス栽培のマルチとして使用すると雑草が繁茂するため、赤外線透過型の着色フィルム(紫・緑)を用い、2作連続作付での発病と雑草の抑制効果について従来の透明フィルムと比較検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 各種フィルム別の最高地温は紫フィルムで39.8℃、緑フィルムで38.4℃と透明フィルムに比べそれぞれ4.1℃、5.5℃低い。最低地温では差は見られない(図1)。
  2. 着色フィルムを用いた太陽熱消毒試験を菌密度の異なる現地ほ場2カ所で実施し、レタス1作目では透明フィルムを用いた太陽熱消毒と同等の抑制効果がある。レタス2作目では着色フィルムを用いた太陽熱消毒は透明フィルムを用いた太陽熱消毒よりやや効果が低下し、実用性も透明フィルムと同様に低下する(図2)。
  3. 透明フィルムをそのままマルチとして利用した場合にマルチ内の雑草が繁茂する。着色フィルム(紫・緑)では雑草は植え穴に限られ、抑制効果も高い(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 着色フィルムを用いた太陽熱消毒はレタス1作目では効果が高いが、2作目までの高い効果は期待できない。そのため2作目では抵抗性品種の導入や拮抗微生物の利用などの総合対策を図る必要がある。
  2. 台風等の強風によりフィルムが破損することがあるので、台風等の進路となると予想される場合には防風ネットで被覆し飛散防止に備える。
  3. 太陽熱消毒の場合には肥効が高まるため、通常のマルチ栽培に比べて減肥する必要がある。
  4. 着色フィルム(紫)の資材費は透明フィルム+黒マルチに比べて1.6倍高価であるが、張り替えの労賃を加算するとほぼ同額となる。また着色フィルム(紫)はクロルピクリンテープ剤の1/4の資材費で経済的である。

[その他]
研究課題名:多毛作維持のための野菜(ハクサイ、レタス)連作障害対策及び新規作物導入による新営農体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成10~12年度)
研究担当者:合田薫、小林尚司、桐村義孝、八瀬順也
発表論文等:日植病報65巻、682、1999.(講演要旨)

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