誘致植物によるハイマダラノメイガの発生モニタリング法
- [要約]
- アブラナ科野菜のハイマダラノメイガの防除は生育初期が重要である。誘致植物としてハクサイの幼苗や、クレオメ(フウチョウソウ科)を用い、その新芽の被害推移を調査することにより発生モニタリングが可能である.
兵庫県病害虫防除所、兵庫中央農業技術センター・農業試験場・環境部
[連絡先] 0790-47-1222
[部会名] 生産環境(病害虫)
[専 門] 作物虫害
[対 象] 葉茎菜類
[分 類] 指導
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[背景・ねらい]
- 近年、兵庫県では夏~秋期に播種・定植するキャベツやダイコンなどアブラナ科野菜でハイマダラノメイガが多発生し、大きな被害を及ぼしている。本種は育苗期及び定植直後に芯部を加害するため、生育初期の防除が重要であり、正確な発生時期・量の把握が必要とされる。本種は予察灯に誘引されず、性フェロモンも製剤化されていないため、誘致植物を用いた発生モニタリング法について検討する。
[成果の内容・特徴]
- ハイマダラノメイガの発生推移は、ほ場に設置あるいは定植したアブラナ科野菜の幼苗(プラグトレイに播種後約10日)、または定植したクレオメの被害株率などを調査することにより把握できる。ただし、常に新しい被害が判別できるように、苗の更新あるいは植え替えを2週間おきに行い、クレオメでは新芽を出させるために1週間おきに剪定する。
- プラグ苗及び定植株とも、被害株率は調査期間にわたり総じてハクサイが最も高く、誘致植物として有用である(図1,図2)。クレオメは被害株率ではハクサイよりやや低いが、1株当たり寄生部位数がハクサイより多く、的確な発生量の把握に有利である(図3)。
- ハイマダラノメイガによる誘致植物の被害は、1998年では7月下旬から、1999年では6月中旬から発生し、その後増加して8月から9月にかけてピークに達した後、急激に減少して10月下旬に終息する。秋冬キャベツでは育苗・定植時期とハイマダラノメイガの発生ピークが一致するために、大きな被害に至る(図1,図2)。
[成果の活用面・留意点]
- ハイマダラノメイガの発生モニタリングは、加害して大きな被害を及ぼす播種期から定植(播種)3週間頃まで行う。
- プラグ苗は萎凋するとハイマダラノメイガの寄生が著しく抑制されるので、灌水は確実に行う。
- クレオメは剪定の必要はあるが、活着後の灌水や苗の更新が不要で管理が容易である。
[その他]
研究課題名:キャベツのハイマダラノメイガ予察法の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年(平成10~12年)
研究担当者:二井 清友、山下 賢一、田中 尚智
発表論文等:なし
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