半促成栽培ナスの主要害虫(アザミウマ、アブラムシ類)に対する天敵利用体系
- [要約]
- 半促成ナスおけるミナミキイロアザミウマに対して、発生初期にククメリスカブリダニ、生育期にナミヒメハナカメムシを利用し、アブラムシ類には発生初期からナミテントウ2齢幼虫を利用する体系で、ナス栽培期間中両害虫の密度を抑制できる。
兵庫県立中央農業技術センタ-農業試験場・環境部
[連絡先] 0790-47-1117
[部会名] 生産環境(病害虫)
[専 門] 作物虫害
[対 象] 果菜類
[分 類] 指導
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[背景・ねらい]
- ナスの半促成栽培における主要害虫(アザミウマ、アブラムシ類)に対し、頻繁に薬剤散布が行われ、過酷な作業となり、健康阻害の要因となっている。また、農薬の連続使用は抵抗性害虫の発達により、安定生産に大きく影響を及ぼしている。そこで、ナスの主要害虫であるアザミウマ類、アブラムシ類に対し天敵利用体系を検討して、環境への負荷軽減を図る。
[成果の内容・特徴]
- 半促成ナスの定植時(3月上旬)にイミダクロプリド粒剤の植穴土壌混和により、1か月以上ミナミキイロアザミウマ、アブラムシ類の密度を抑制する(図1)。
- ミナミキイロアザミウマに対して4月上旬の発生初期にククメリスカブリダニ( 100 頭/株)を3回、5月中旬からナミヒメハナカメムシ(3頭/株)を2回放飼することにより、密度を抑制し、ナス果実の被害を軽減できる(図1)。
- アブラムシ類には5月上中旬の発生初期にナミテントウ2齢幼虫(5頭/株)放飼すると、アブラムシを食べ尽すので、高い防除効果が認められる(図2)。
- ナスの主要害虫に対し、この天敵利用体系が可能となり(表1)、農家慣行防除と比較して品質・収量とも同等で、この体系で3~4回の省農薬化が図れる。
[成果の活用面・留意点]
- アザミウマ、アブラムシ類の発生推移を把握することにより、他の栽培型、他作物で 利用できる。発生初期からの利用が大切である。
- 害虫の発生は年次変動するので、発生に応じた天敵利用が必要である。
- ハダニにはチリカブリダニ、マメハモグリバエにはイサエアヒメコバチ+ハモグリコ マユバチが利用できる。
- ヨトウムシ類やハダニ類などの異常発生時には、天敵に影響の少ない薬剤で臨機に防 除する必要がある。
[その他]
研究課題名:ナス科作物の難防除病害虫に対する天敵・拮抗微生物利用技術の開発
予算区分 :地域基幹
研究期間 :平成11年(平成6~10年)
研究担当者:足立年一、藤富正昭、山下賢一、河野 哲、松本 功
発表論文等:ククメリスカブリダニのミナミキイロアザミウマ防除への利用、兵庫県農業技術センタ-研究報告(農業編)、44、51-56、1995.
ナス害虫の生物的防除における経営評価、兵庫県農業技術センタ-研究報告(農業編)、47、48-54、1999.
生物的防除を基幹とする省農薬病害虫制御技術(研究成果)、静岡、茨城、兵庫、宮崎共同研究機関編、1999.
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