秋・寒小ギクにおけるウスモンミドリメクラガメの発生予察
- [要約]
- 秋・寒小ギクの無防除の圃場で多く発生するウスモンミドリメクラガメは、予察灯でも多く誘殺され、その誘殺ピークは生育期の寄生ピークと一致する。
和歌山県農林水産総合技術センター・農業試験場・病虫部
[連絡先] 0736-64-2300
[部会名] 生産環境(病害虫)
[専 門] 作物虫害
[対 象] 花き類
[分 類] 指導
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[背景・ねらい]
- 露地ギクの芯止まり被害が問題となっている。この被害の要因のひとつであるウスモンミドリメクラガメの発生状況と芯止まりおよび花の被害状況を明らかにし、発生予察の資料とする。
[成果の内容・特徴]
- 県内主要産地の秋・寒小ギクの露地圃場におけるウスモンミドリメクラガメ(以下、ウスモンと称す)は極めて少発生に推移し(表1)、その他のメクラカメムシ類の寄生は著しく少ない。
- 農業試験場内の秋小ギク圃場(無防除)ではウスモン成虫が多く寄生し、生育期では8月4~6半旬に寄生のピークがみられ(図1)、芯止まり被害がわずかに認められる(表2)。そのほかにナガカメムシ類の寄生がわずかにみられる。膜割れ後の花蕾・花には多数のウスモン成虫が10月下旬から12月下旬まで寄生し、11月5半旬に寄生ピークが認められ(図1)、ウスモンによる奇形花率は49~67%に達する(表2)。
- 農業試験場内キク圃場に隣接した水稲害虫用予察灯(60W白色灯)に誘殺されるメクラカメムシ類は2年間で12種類みられ、キクの害虫であるウスモンが最も多く誘殺される(表3)。ウスモンは5月4半旬から誘殺され、誘殺ピークは8月4~6半旬である(図1)。10月以降もケブカメクラガメとともに誘殺されるが、誘殺数は減少し、12月1半旬に終息する。
- キク生育期でのウスモンの寄生ピークと予察灯の誘殺ピークとが一致する。一方、開花期の10月5半旬以降に寄生量が増加し、11月6半旬に寄生のピークを示すが、予察灯の誘殺数は少なく、寄生量と誘殺数の一致は見られない(図1)。この時期は夜温の低下により夜間の行動が抑制されるためと考えられる。
- したがって、秋・寒小ギクのウスモンミドリメクラガメの発生予察は、生育期は予察灯、開花期は圃場調査を行うことで可能と考えられる。
[成果の活用面・留意点]
水稲害虫類の予察灯調査と同時に行うと省力的である。
[その他]
研究課題名:効率的防除技術開発による農作物の安定生産
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成10~12年)
研究担当者:大橋弘和
発表論文等:
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