トマト黄化えそウイルス(TSWV)のペチュニア切離葉による簡易検定法
- [要約]
- トマト黄化えそウイルス(TSWV)症状葉の磨砕液をペチュニアの切離葉へ汁液接種し、褐色の局部病斑形成の有無を調べることで、本ウイルスを簡易検定することができる。この方法は酵素抗体法(DIBA法)と同程度の検出感度を有する。
広島県立農業技術センタ-・環境研究部
[連絡先] 0824-29-0521
[部会名] 生産環境(病害虫)
[専 門] 作物病害
[対 象] 果菜類・花き類
[分 類] 指導
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[背景・ねらい]
- トマト黄化えそウイルスはミカンキイロアザミウマなどのアザミウマ類によって媒介される難防除ウイルスである。広島県では、1997年以降、キク、トマトなどで本ウイルスの発生を確認し、その被害は拡大しつつある。そこで、本ウイルスを早期に発見し、的確な防除対策が講じられるように、現場の技術者が簡単に行える、ペチュニア切離葉を用いたTSWVの簡易検定法を開発する。
[成果の内容・特徴]
- TSWVの感染が疑われる罹病葉のリン酸緩衝液(pH 7.0)磨砕液を、ペチュニア(Petunia×hybrida)切離葉へカーボランダムを用いて汁液接種し、局部病斑形成の有無でTSWV感染を判定する。
- 切離葉は接種後、20℃の湿室で暗黒下、3日間保持すると局部病斑数が多く、かつ、雑菌による腐敗も少ない(図1)。
- 切離葉は、展開直後の上位葉よりも上位から第7~8葉目付近が鋭敏に反応する(図2)。また、反応は発蕾前~開花期までの幅広いペチュニア生育ステージで同等である(表1)。
- ペチュニア品種間(ポロ、プライムタイム、ピコティ-、フルコン、パール)で、TSWVの検出感度に差は認められない。
- 本方法によるTSWVの検出感度は、TSWV-O抗体によるDIBA法と同等であり(表2)、かつ、検定はより簡易である。
[成果の活用面・留意点]
- 接種源植物がピーマンの場合、ペチュニア切離葉に形成される局部病斑数が少ないので、注意が必要である。
- トマトモザイクウイルス(ToMV)などペチュニアにTSWVと同様の反応を示すウイルスもあるため、確実な同定には、病徴診断や血清学的診断を行う必要がある。
[その他]
研究課題名:トマト黄化えそウイルスの簡易同定法確立および伝搬経路解明
予算区分 :国補(多角的防除技術の確立事業)
研究期間 :平成11年度(平成10~12年)
研究担当者:松浦昌平、渡部佐知子、香口哲行
発表論文等:日本植物病理学会報、65、689、1999.(講演要旨)
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