オオムギ網斑病の薬剤防除法


[要約]
オオムギ網斑病の種子伝染による発病を防止するには、薬剤による種子消毒が有効である。また、発病後の病勢進展を防止するには、出穂期以降の薬剤の茎葉散布が有効である。
鳥取県農業試験場・環境研究室
[連絡先] 0857-53-0721
[部会名] 生産環境(病害虫)
[専 門] 作物病害
[対 象] 麦類
[分 類] 研究

[背景・ねらい]
 近年、オオムギ網斑病の発生が、鳥取県、佐賀県、福岡県および大分県で問題となっている。本県では、これまでに、伝染源は保菌種子および被害茎葉であることを明らかにするとともに、被害茎葉からの伝染を阻止するための耕種的防除法として、田畑輪換が有効であることを明らかにした。しかし、有効な薬剤防除法は確立されていない。そこで、有効薬剤の検索および使用方法について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 種子伝染による発病を防止するには、薬剤による種子消毒が有効である。有効な薬剤および処理方法は、アゾキシストロビン水和剤の 7.5倍液・3%量種子塗沫処理、イミノクタジン酢酸塩液剤の 250倍液・30分間種子浸漬処理、同剤原液の 0.5%量種子塗沫処理、チウラム・ペフラゾエート水和剤の 0.4%量種子乾粉衣処理、ペフラゾエート水和剤の 0.4%量種子粉衣処理(乾粉衣、湿粉衣)である。なお、チウラム・ベノミル水和剤、トリフルミゾール水和剤等の各処理および温湯浸法(47℃、5分)の防除効果はいずれも低い(表1)。
  2. 発病後の病勢進展を防止するには、出穂期以降の薬剤散布が有効である。有効な薬剤および処理方法は、フルアジナム水和剤、プロピコナゾール水和剤、イミノクタジン酢酸塩液剤等の 1,000倍液の茎葉散布である。なお、チオファネートメチル粉剤の効果は低い(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 現時点では、オオムギ網斑病を対象とした登録薬剤はない。
  2. 多肥、密植栽培は発病を助長するので、適正な栽培管理を行う。

[その他]
研究課題名:オオムギ網斑病防除対策試験
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成3~12年)
研究担当者:長谷川優
発表論文等:日植病報、59巻、76-77、1993.

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