おとりトラップによるトリコグラマ簡易採集法
- [要約]
- 紫外線照射済みのふ化しない鱗翅目卵をカード上に貼り付け,おとりトラップをつくる。それを作物に両面テープで貼る。数日後におとりトラップを回収し室内で飼育する。この操作により,非常に簡易で迅速に大量のトリコグラマが採集できる。
中国農業試験場・地域基盤研究部・虫害研究室
[連絡先] 0849-23-4100
[部会名] 生産環境
[専 門] 作物虫害
[対 象] 昆虫類
[分 類] 研究
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[背景・ねらい]
- 寄生蜂トリコグラマは鱗翅目害虫の重要な天敵である。新たな遺伝資源探索や野外での寄生能力評価が重要な課題となる。これまでトリコグラマの採集・調査は,1.見つけ捕り,2.捕虫網によるすくい取り,3.寄生卵探索等で行われていた。しかし,トリコグラマは体長1mm以下と大変微小なため,採集に時間がかかるとともに一度に採れる個体数も限られている。そこで,トリコグラマの採集や寄生能力等の評価を簡単に行うためのトラップを開発する。
[成果の内容・特徴]
- 2.5cm×2.5cmのろ紙に両面テープを貼り付け紫外線処理したふ化しない鱗翅目卵(ここではスジコナマダラメイガ卵)を300卵~600卵貼り付ける(以下スジコナおとりトラップ)(図1)。スジコナおとりトラップを野外圃場のキャベツ葉に両面テープで貼り付ける。スジコナおとりトラップを3日後に回収し,24℃16時間日長条件下で飼育する。寄生卵の回収と検鏡による雄の交尾器の比較により,トリコグラマ属数種類の採集を確認する(表1)。
- 重要害虫コナガでも同様なおとりトラップ(トラップ当たり20卵を10カ所にしかけた-以下コナガおとりトラップ)を作成し,一定間隔でトラップを仕掛けることによりトリコグラマによるコナガ卵への寄生率の消長が調査でき(図2),寄生能力等が検討できる。
[成果の活用面・留意点]
- 一度にかなりの遺伝資源が採集可能となるため,量的遺伝学的研究,新たな有用系統探索に向いている。
- クモ,アリなどの捕食者に卵を捕食されやすいので留意しなければならない。
[その他]
研究課題名:性調節機構を導入した卵寄生蜂有用遺伝資源維持法の開発
予算区分 :バイテク [昆虫機能]
研究期間 :平成11年度(平成5~11年)
研究担当者:三浦一芸、小林正弘
発表論文等:なし
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