なたね油粕の窒素無機化パターン
- [要約]
- なたね油粕(以下、油粕)から無機化する窒素は、全窒素の55~70%である。10~25℃の温度範囲では、油粕の無機化は温度の影響を強く受け、その程度は油粕の製法により異なる。無機化予測は反応速度論的解析により地温から可能である。
岡山県農業総合センター・農業試験場・化学研究室
[連絡先] 08695-5-0271
[部会名] 生産環境(土壌・気象)
[専 門] 肥料
[対 象] 果菜類
[分 類] 指導
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[背景・ねらい]
- 油粕からの窒素無機化は、これまでの調査では25~30℃の温度範囲では、温度の影響をあまり受けないことが分かっている。しかし、20℃以下の無機化パターンは明らかになっていない。そこで、10~25℃の温度範囲における油粕の無機化パターンを明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- 油分抽出法が異なる3種類の油粕を供試した。油粕からの油分抽出法は機械搾りと溶媒抽出(KA)に、さらに機械搾りは加熱搾り(IS)と非加熱搾り(AO)に分けられる(表1)。
- 油粕の無機化特性値は、油粕を土壌と混合したものを10、15、25℃で培養し、単純型モデルに当てはめると得られる(表1下段のモデル式)。
- 10℃及び15℃の無機化曲線の時間軸を温度変換日数法で25℃に変換したところ,図1(上)の温度別無機化曲線は図1(下)に示したように25℃の無機化曲線によく適合する。
- 油粕の最大無機化率は、KAやAOで高く70%である。一方、機械加熱搾りのISでは、全窒素の55%しか無機化しない(表1)。
- すべての油粕の無機化速度は、10~25℃の温度範囲において温度の影響を受け、機械加熱搾りのISで低く、溶媒抽出のKAで高い。また、機械加熱搾りのISでは、見かけ上無機化を開始するまでの期間も温度の影響を強く受け、その見かけ上の活性化エネルギーは 43,521cal/mol と高い(表1)。
- 溶媒抽出の油粕は無機化を開始するまでの期間、無機化速度共に他の抽出法の油粕よりも早い。また、機械加熱搾りの油粕は、無機化が温度の影響を強く受け、無機化率も低い。
[成果の活用面・留意点]
- 油粕の無機化予測は市販の表計算ソフトを活用すれば容易に作成できる。
- 適用温度範囲は10~30℃である。ただし、25~30℃では温度の影響を余り受けない。
- 供試した土壌は中粗粒黄色土で、土壌の種類、地力との関係は今後の課題である。
[その他]
研究課題名:有機無農薬によるイチゴの促成栽培技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成9~11年)
研究担当者:石橋英二、土井智津子
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