晩生ナシの無送風高湿度冷蔵庫による長期冷蔵
- [要約]
- 0℃に設定した無送風高湿度冷蔵庫で、10月上旬から中旬に収穫した「新高」は翌年の5月まで、11月に収穫した「愛宕」は翌年の8月まで冷蔵可能である。「新高」は冷蔵中の黒あざ症の発生を防止するために、収穫後1.5%以上減耗した果実を冷蔵する。
岡山県農業総合センター・農業試験場・化学研究室、果樹研究室
[連絡先] 08695-5-0271
[部会名] 流通利用
[専 門] 加工利用
[対 象] 果樹類
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- 県内産の晩生ナシは貯蔵され年末から翌春まで販売されているが、現有の貯蔵施設では品質が低下しやすい。近年開発された壁内を冷媒が循環し冷却する無送風高湿度冷蔵庫は、庫内の湿度が95%以上に保持され、果実を無包装のままで安定した貯蔵が可能である。そこで、晩生ナシの無送風高湿度冷蔵庫での貯蔵性を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- 「新高」は収穫時期の早い果実ほど貯蔵性に優れ、10月上旬から中旬に収穫した適熟の果実は0℃に設定した無送風高湿度冷蔵庫で翌年の5月上旬まで冷蔵可能である(表1)。10月下旬以降に収穫した熟度の進んだ果実は貯蔵性が劣るが、翌年の3月までは冷蔵可能である。
- 「新高」の冷蔵中に発生する黒あざ症の発生は、収穫時期の早い果実ほど多いが、収穫時期が早い果実でも果実重が収穫後1.5%以上減耗した後に冷蔵すれば防止可能である(表2)。
- 7か月間冷蔵した「新高」の出庫後の日持期間は、常温(23℃)で約5日間、10~15℃で約10日間である。
- 「愛宕」は「新高」より貯蔵性が優れ、11月に収穫した適熟の果実は8月上旬まで冷蔵可能である(表3)。
[成果の活用面・留意点]
- 4月以降の気温が高い時期に出庫すると、常温では品質の低下が早いので、低温での流通が望ましい。
- 他の果実との競合を考えると5月までの冷蔵が妥当である。
[その他]
研究課題名:天然抗菌物質・高湿度冷蔵庫・MA包装を利用した果実の貯蔵技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成8~9年)
研究担当者:高野和夫、村西久美、笹邊幸男
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