大豆「タママサリ」の奨励品種採用
- [要約]
- 「タママサリ」は、奨励品種「タマホマレ」よりやや早熟で、収量性は標準播で同程度、晩播では優る。子実はやや大粒で、全糖含量が高く、このため煮豆が軟らかく風味が優れる。平坦~中山間地を対象に奨励品種に採用した。
兵庫県立北部農業技術センター・農業部
[連絡先] 0796-74-1230
[部会名] 作物生産(育種・栽培)
[専 門] 育種
[対 象] 豆類
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- 国産大豆を振興するためには、高価でも需要が成立するような、食品素材としての品質上の特徴を持つ品種の選定が必要である。このことは、普通大豆においても近年特に重要になってきている。
- 本県奨励品種「タマホマレ」は、栽培適性が高いため普通大豆の90%以上を占めているが、低蛋白、煮豆が硬いことなどにより需用者の評価が著しく低いため、奨励品種決定調査の中で代替品種を探索してきた。
[成果の内容・特徴]
- 「タママサリ」は北部農業技術センターの標準播では対照の「タマホマレ」より4日程度早熟、晩播では同熟の中間型中生で、立毛の特徴は長葉で白花、1莢内粒数が多い。倒伏、ウイルス(SMV)など生育中障害は対照と同程度で少ない(表1)。
- 収量性は場内の標準播では対照より生育量が小さくやや劣るが、晩播では優る(表1)。現地調査(標準播)の累年成績では、対照より多収の事例が多い(9カ所中6)。
- 子実は対照より大きく、外観品質は同程度である。子実成分のうち蛋白質は対照と同程度で低く、脂肪はやや低い。全糖含量は近年の育成品種中最高の部類である(表2、3)。煮豆は柔らかく食感が滑らかである。加工適性は専門業者で試験され、豆腐では低く、煮豆と味噌では高く評価された。
[成果の活用面・留意点]
- 県下平坦~中山間地の6月中旬~7月上旬播き栽培に適する。栽培管理は「タマホマレ」と同様でよい。
- 「タママサリ」は、現在普及している「タマホマレ」の相当部分を置き換えて普及させる。普及予定面積は500ha程度である。
[その他]
研究課題名:大豆奨励品種決定調査
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成4~10年度)
研究担当者:曳野亥三夫、來田康男
発表論文等:平成10年度奨励品種審査会資料(平成11年3月)
ひょうごの農業技術・No103(平成11年5月)
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