全自動移植機利用のための黒ダイズの育苗技術
- [要約]
- 黒ダイズのセル育苗用土にコムギの種子を混和して使用することにより、コムギによる根鉢が形成され全自動移植機による移植精度が向上する。植え付け後のコムギは、セトキシジムなどの選択性除草剤で枯殺する。
奈良県農業試験場・高原分場・地域特産開発チーム
[連絡先] 0745-82-2340
[部会名] 作物生産(機械・施設)
[専 門] 栽培
[対 象] 豆類
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- 根鉢ができにくく発芽率も低い丹波黒の全自動移植機用育苗法として、1セル2粒まきで根鉢の形成と発芽率(発芽セル率)を向上できる。しかし、移植精度は70%ほどで必ずしも十分でないこと、種子量が2倍となることなどがネックとなっている。そこで、根鉢の形成だけを目的とした植物(根鉢植物)を、育苗用土に混和することで、機械移植に必要な根鉢を形成させる方法を検討する。
[成果の内容・特徴]
- 生育の早い黒ダイズの移植に用いる根鉢植物としてはコムギが適当である(表1)。
- 育苗用土をトレイに充填する前に、コムギ種子を1トレイあたり50g混和する。これによりコムギをトレイに播種する労力を節約できる。
- 機械移植の適期幅はコムギによる根鉢が形成される播種後7日から、黒ダイズの草丈が15cmに達する時期(9-10日後)の間である。播種後8-9日で概ね90%以上の移植率が得られる。1セル1粒まきの苗はトレイからの引き抜きミスが、2粒まきの苗は植え穴への植付けミスが見られる(表2)。
- 1粒まきではY社製培土を用いても不発芽セル率が20-30%生ずるが、コムギ混和に より、苗の挿し替えが容易となる。
- 移植直後に、セトキシジムなどの選択性除草剤を散布してコムギを枯殺する(写真1)。
[成果の活用面・留意点]
- トレイは128穴のものを用い、発芽率を向上させるため培土はY社製培土を用いる。
- 根鉢形成のためのコムギは25gでも1セルに3粒程度混和されるので実用に足りる。
- 根鉢植物の処理の省力化のため、セトキシジム剤のセルトレイ処理の登録が望まれる。
- 図1 [具体的データ]
[その他]
研究課題名:流通の多チャンネルに対応した中山間特産野菜の育成と栽培体系の見直し
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成11~13年)
研究担当者:谷川賢剛、杉本好弘
発表論文等:奈良県農試情報105号
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