少量土壌培地耕栽培によるメロンの安定生産技術


[要約]
メロンの少量土壌培地耕は、抑制栽培で果重、品質とも安定し、実用化が可能である。培養液管理は、開花30日後から培養液濃度を下げ、収穫10日前から水に変えることによって糖度が高まり、培地への塩類集積も回避できる。
滋賀県農業試験場・栽培部・野菜係
[連絡先] 0748-46-3081
[部会名]  野菜・花き(野菜)
[専 門] 栽培
[対 象] 果菜類
[分 類] 普及

[背景・ねらい]
 本県は、水田転換畑におけるメロン栽培も多く、生育後期の地下水位の上昇が、品質の不安定要因となっている。また、近年は土壌病害による被害が拡大しており、生産が不安定化している。そこで、滋賀農試で考案した「少量土壌培地耕」によるメロンの高品質果安定生産技術について検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 栽培床は、底面24cm、側面12cmの抜き板で木枠を組み、内側にPOフィルムを敷き、底にモミガラを3cm、その上に水田土壌を7cm入れる。余剰となった培養液は、底面の抜き板の中央に30cm間隔で開けた穴から排出し、樋で回収して再利用する(図1)。
  2. 半促成栽培では、果重の変動が大きく、糖度も低いが、抑制栽培では、果実の肥大、糖度とも安定して優れ、少量土壌培地耕による栽培が可能である(表1)。
  3. 抑制栽培において、開花30日以降の培養液濃度を低濃度または高濃度で管理することによって、果実糖度は高まるが、収穫10日前から水のみの給液にする低濃度管理で糖度はより高まる(表2)。
  4. 栽培終了後の培地土壌は、開花30日以降の培養液濃度が高くなるほどEC値、硝酸態窒素含量、リン酸含量、カリ含量が増加する。作付け前の培地土壌と比較すると低濃度管理ではEC値が低下し、硝酸態窒素、カリ含量は同程度で、培地への塩類集積も回避できる(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 少量土壌培地耕栽培では、ハウス内の湿度が低くなるため、着果後2週間は肥大促進のために高めの湿度管理を行う。
  2. 抑制栽培については、摘心までの生育が早いため、給液量が不足しないように注意する。また、開花30日以降は培養液濃度を低く管理すると共に、1日当たりの給液量も0.8~1.0リットル/株程度で管理する。

[その他]
研究課題名:施設野菜のクリーン・省力生産技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成10~11年)
研究担当者:中村嘉孝、谿英則、濱中正人

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