グラウンドカバープランツの動力吹付け工法による緑化技術
- [要約]
- グラウンドカバープランツのセル成型苗と肥料、培養土、水等をタンク内で混合後、法面に吹付け植栽する方法を開発した。448穴セル成型苗を50セル/㎡の密度で植栽すれば、春施工の場合約3か月でほぼ全面被覆する。
兵庫県立北部農業技術センター・農業部
[連絡先] 0796-74-1230
[部会名] 野菜・花き(花き)
[専 門] 環境保全
[対 象] 緑化植物
[分 類] 行政
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[背景・ねらい]
- 近年、グラウンドカバープランツによる緑化が注目を集め、法面緑化にも積極的に利用されるようになってきた。しかし、これらの苗はポリポットでの栽培であるため、生産には長期間を要し、人手での植付けには多大な労力ががかかり、法面への植栽では傾斜のため作業上危険でもある。
- そこで、新たに開発した吹付け機械により、グラウンドカバープランツのセル成型苗と肥料、培養土、水等を混合後法面に吹付け植栽する方法を検討した。
[成果の内容・特徴]
- 本工法(ビオ・セル・ショット工法)に使用する苗は448穴セルトレイを用い、直挿し育成する。セル苗は1~1.5か月で生産でき、植栽前に根鉢の固化処理を行う(表1)。
- 生育基盤を造成後、セル成型苗、肥料、培養土、水等をタンク内に投入し圧縮空気を送り込み混合する。空気を介しての混合のため、苗を痛めない。混合したものを空気噴射により、ノズルの先から施工面に50セル/㎡吹付け植栽する(図1)。
- 本工法に最適な種類は、セダム類、マツバギク、イワダレソウなどがあり、数種類を混植することにより、春施工の場合約3か月で全面被覆する(図2)。
- セル成型苗はポット苗と異なり、短期間で且つ大量に育成でき、栄養繁殖性の種類は全て生産可能である。これにより、従来法面等に植栽不可能であった種類も植付けでき、多種多様な植生が実現できる可能性がある。
なお、本工法は兵庫県立北部農業技術センター、株式会社O組およびY建設株式会社が共同で開発したものである(特許出願中)。
[成果の活用面・留意点]
- 植栽面の既存雑草を完全に除去する必要がある。また、法勾配、土質により生育盤造成として厚層基材吹付けが必要な場合がある。
- 盛土、切土の別や乾燥の度合いにより、適合する種類を選定する必要がある。
- わい性一年草の種子を混入すれば、早期土壌面被覆と景観形成がより図られる。
[その他]
研究課題名:中山間地における景観形成と畦畔・法面の管理技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年(平成10~12年)
研究担当者:福嶋昭(兵庫県立北部農業技術センター)、出雲井雄二郎、浜田利彦(株式会社O組)、吉田修、吉田保(Y建設株式会社)
発表論文等:「植物苗の噴射式植付緑化工法」特許出願中
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