炭酸ガス施用によるシクラメンの品質保持
- [要約]
- 出荷3週間前からの炭酸ガス施用により、シクラメンの観賞時における日持ち性を改善することができる。
奈良県農業技術センター・生産技術担当・花き栽培チーム
[連絡先]0744-22-6201
[部会名]野菜・花き(花き)
[専 門]栽培
[対 象]他の花き類
[分 類]指導
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[背景・ねらい]
- 観葉植物をはじめ、花を観賞の主体とする鉢花でも、観賞時の葉色低下あるいは黄化葉の発生の低減には、遮光による順化処理が有効である。ところが、鉢花に対する不適切な遮光処理は、しばしば花数の減少、茎部の徒長などの品質低下を引き起こす。そこで、順化時の遮光下でシクラメンに炭酸ガス施用を行うことにより、これらの品質低下を防ぐとともに、観賞時の日持ち性を改善する。
[成果の内容・特徴]
- 順化時の炭酸ガス施用により、徒長が押さえられ、遮光下でも全般的にしまった生育を示す。また、無処理区に比べ葉数は増加の傾向が見られる(表1)。
- 無遮光区、40%遮光区では炭酸ガス施用により観賞時の開花数が増加・維持され、落花数も減少する(図1)。
- 無遮光区、40%遮光区での観賞時における黄化葉発生率は、炭酸ガス施用区で減少する(図2)。
- 出荷前の順化時における炭酸ガス施用は、観賞時の品質保持に効果的であるが、65%遮光区での効果が明確でないことから、炭酸ガス施用の効果は処理中に一定以上の日射量が必要であるものと考えられる(図1、図2)。
- 3週間の炭酸ガス施用で葉色の低下、茎葉部の硬化、花の奇形などの弊害は確認できない(葉色に関するデータは表1、その他のデータは省略)。
[成果の活用面・留意点]
- 炭酸ガス施用の効果を生かすには、昼間の温室の開閉頻度を少なくする必要がある。
- 早期出荷での炭酸ガス施用を想定した場合、温室が密閉状態にある早朝・夕方の施用効果(施用期間、ガス濃度など)を、今後明らかにしていく必要がある。
- 今後、実用化技術とすべく、炭酸ガス施用と遮光との関連性をさらに詳しく調査する。
[その他]
研究課題名:鉢花の品質保持
予 算 区分:地域重要新技術
研 究 期間:平成11年(平成10年~12年)
研究担当者:前田茂一、藤井祐子
発表論文等:鉢花シクラメンに対する炭酸ガス施用のハードニングおよび品質保持効果、平成12年度園芸学会近畿支部大会発表要旨、18、2000.
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