[成果情報名]

マイクロ波製茶による夏秋茶葉の活用

[要約]夏秋茶葉を食品加工等に利用するとき、ベルトコンベヤ式マイクロ波加熱装置に投入した後仕上げ乾燥するマイクロ波製茶は、35~60秒間に30%(DB%)程度まで乾燥することで、色沢や滋味における夏秋茶固有の欠点が緩和され、特に製品の色沢がすぐれる。
[キーワード]夏秋茶葉、食品加工、ベルトコンベヤ式マイクロ波加熱装置、色沢、滋味
[担当]京都府立茶業研究所 製造課
[連絡先]0774-22-5577
[区分]近畿中国四国農業・茶業
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 保健性への関心の高まりとともに、食品分野を始めとする茶の需要が増加している。
 その一方、夏秋期の茶葉(一番茶期以外の生葉を総称して以下こう呼ぶ)は、摘採や製茶を行うのに十分な収穫量が見込めるものの、一番茶と比べて品質が不良であるため取引価格が安価で、十分に活用されていない。
 このため、マイクロ波製茶により製品の付加価値を高め、粉砕して食品に利用する等の新用途に適した製品を簡便に得ることで、夏秋茶葉の有効利用を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. マイクロ波製茶では、生葉の蒸熱を行わず、ベルトコンベヤ式マイクロ波加熱装置に投入する。生葉の投入は、均質な加熱葉を得るためベルトコンベヤ上で重ならないよう散布して行い、マイクロ波加熱の後仕上げ乾燥を経て製品とする(図1)。
  2. 生葉ごとの操作は、取り出し部における加熱後茶葉の状態や排気の香りから判断し、硬化程度の進んだ生葉には、加熱部通過時間を長くする(表1)。生葉の含水率は35~60秒間に30%(DB%)程度となる。
  3. 二番茶の乾燥後茶葉でマイクロ波製茶によるものと、てん茶機で製造したものとを比べると、マイクロ波製茶では、てん茶機製造でみられる色沢の赤黒みや硬葉(夏茶)臭味等、茶期固有の欠点が緩和される(表2)。
  4. 二番茶の乾燥後茶葉を粉砕して比較すると、マイクロ波製茶による製品は測色値で緑の程度が大きく、官能検査においても外観で同様の傾向を示す。またマイクロ波製茶による製品の滋味は、青臭味を伴うがてん茶機で製造したものにみられる苦渋味等の欠点が緩和される(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. マイクロ波製茶による製品はてん茶機で製造したものと同様に粉砕でき、色沢がすぐれることから食品加工等への利用に適する。
  2. マイクロ波製茶を行うことで製茶工程が短縮され、製茶に要する時間は最短10分程度となる。

[具体的データ]

図1

表1

表2

表3


[その他]
研究課題名夏秋茶葉を用いた茶の多用途利用技術の開発 被覆原料による電磁波乾燥
予算区分助成(新技術)
研究期間1998~2001年度
研究担当者山下幸司、村上宏亮、藤田美智代、牧 英樹
発表論文等茶生葉のマイクロ波加熱、乾燥による製造法、茶業研究報告、第86号(別冊)、1998

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